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みそぎ、ものいみ、ゆめまくら「レイジングループ」

PC、Steam、PS、Switchで3000円くらい。スマホアプリもあるようだ

おおかみが来るそうです

あらすじ

房石陽明は、山の中で完全に迷子になっていた。
バイクで逃避行をしていて迷子になった彼は、
人里離れたコンビニで道を聞き、近所の集落へと落ち延びる。
貧しく排他的な「休水村」で壊れたバイクを修理しようとするが、修理が終わる前に夕暮れになり、霧が出てきて――
彼は、おおかみを見た。

システム

選択肢を選んで読み進める普通のADVゲーム……のようだが、主にBAD ENDで得られる情報=Keyを持っていないと選べない選択肢が多々存在する。
つまり、一度BAD ENDを迎えないと正しいルートに行けない。
そしてBAD ENDとは、大抵は死亡してしまうルートのことで……
主人公は、死に戻りによって選択肢を選び直すこととなるのだ。

難易度

ややかんたん。
人狼ゲームをベースにしているため、生存のための立ち回りが要求される。
ただ、全てのBADENDを選んでしまえば残るルートが正解なので、詰むとか進み方が分からなくなるといったことはない。
BADENDにはヒントコーナーもあるし。

雰囲気

宗教と限界集落と殺人があわさり、とってもダーク。
余所者は真っ先に排斥の対象となり、逃れるためには村人らに隣人を殺させる必要がある。
9割くらい雰囲気だが、ちゃんと最後にはハッピーエンドが待っている。

感想

オカルトとミステリと民俗学の融合といえる今作。
ネタバレを含む感想につき、注意。









主人公の詐欺能力が高すぎる!
こういう一人称視点の物語でよく使われる「叙述トリック」
主人公は=プレイヤーではなく、プレイヤーよりも情報を持っている主人公に翻弄される。そういった楽しみがある。
また、人狼ゲームにタイムリープを重ねることで、占い師(作中では「へび」)の「人狼か村人かを見破る能力」を実質一晩に何度でも使用できるというのが面白い。
勿論他者へ説明する時は、知っている情報のうち一部しか供与できないが。
人狼ゲームというが、主人公を除くほとんどの村人は元から仲良しで、
つまりゲームとして成り立っていない。ムラ特有の「老人の発言力」や「暴力」で簡単に覆されてしまう。
なんなら人狼側も負けが確定してから暴力に訴えることができるなど、割と盤外戦術(物理)が多いのがこの作品の特徴だろう。

タイムリープものを科学的に説明しようとすると大抵は「デジタル技術」に集約されてしまうのだが、今作は事件を構成する3つの鍵として
「信仰」「オカルト」「トリック」を緻密に混ぜ込んでいる。
オカルトに関してはタイムリープ等の超常現象を説明するのに使用しており、ある種「デジタル説明」に食傷気味だったこともあり割と納得している。
神様って契約とかに弱いんだよね。口先の魔術師がよぉ……
信仰については、この作品の根幹ともいえるだろう。
長年蓄積された強い思い込みが、肉体を支配するという話。
これを破戒するための策が一番の見どころだった。
トリックはさ……まんまと引っかかったよね 最初に見た人狼が主観によって大きさを曲げられていたことに気付かないとはね……

総じて、かなり面白かった。ラスボスは(最後の鍵集めてる途中で気付いたが)意外だったし。
(というか、妖狐だと思っていた。よみびと化は呪殺の表現だとばかり)
ふさゆきさんのばか!