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偽9番のすゝめ カタールW杯アジア最終予選 日本対ベトナムより

2022年3月29日W杯アジア最終予選、日本対ベトナムの一戦から、「守備ブロックの崩し」について考える。
試合は、19分にベトナムがコーナーキックから先制。対する日本は53分にキャプテン吉田がインターセプトから自分で持ち上がり、味方のシュートのこぼれ球を詰め、同点とした。
前半は、ベトナムが守備でリズムを作り、 (↓守備から試合を支配する」参照ください)(https://note.com/homofootballer/n/nae0b0ef62087
ベトナムペースで進んでいたが、後半、伊東・守田・田中・南野を投入すると、一転して日本ペースとなり、決定機を作ったが逆転には至らなかった。

・前半の問題点
前半、格下のベトナムペースで試合が展開された要因として、2つのミスマッチがあったことが指摘できる。

1つ目は、中盤の数である。日本の3ボランチに対し、ベトナムの中盤は攻守で人員は可変しながらも4枚を保っていた。中盤でボールをつなぎたい日本は、そこで数的不利に陥っていた。

2つ目は、リズムのミスマッチである。グループステージ最下位でW杯本選出場を逃したベトナムは、格上の日本に対しディフェンスラインを下げて守ってくると想定されていた。しかし試合が始まると、ベトナムはかなり前がかりにプレッシングを仕掛け、日本のビルドアップを焦らせることとなっていた。

・偽9番のすゝめ
ベトナムは守備時5-4-1の強固なブロックを築いた。
そんな5バックの3センターとマッチアップするのは上田選手。彼は、生粋のストライカータイプで、中央で構えて裏への駆け引きを好む。しかしながら、5-4ブロックに挟まれ、上田選手にボールは届かない。

そこで私は、フリーロールなる偽9番を提案したい。(↓「フリーローラーの3つの視点」参照ください)「https://note.com/homofootballer/n/nc221117ca586
これは、先日の南米予選から、ブラジル代表とアルゼンチン代表がみせたフリーローラーのセンターフォワード表記起用について考察したものだが、格下の相手が5バックを敷いたという点で全く同じ状況であり、有効な戦術であると考える。

また、前半に発生していた問題点も偽9番の選手が、中盤に落ちたり、ボールをキープすることで、解決できる。

肝心の人選は、この試合であれば、先発の久保選手、途中出場の南野選手を配置すると面白いだろうと思った。2人とも足元の技術が高いことと、自分でシュートも狙えること、戦術理解度が高いことなど条件は揃っている。

・まとめ
日本代表のメンバーはこの試合で固定されそうな雰囲気だ。確かに後半から投入された守田・田中・伊東・南野選手は、試合のリズムを変えるだけのプレーを見せてくれた。

しかし、絶対的エースの大迫選手が最盛期を過ぎ、得点力に不安感がある今の代表に必要なのはセンターフォワードにストライカーを配置するという固定概念からの脱却ではないだろうか?

偽9番、0トップを実践できるだけの人材や中盤の安定感、強力なウィングは揃っていると思う。それを試さない手はないのではないか?

P.S 久保選手が同い年であれだけの活躍をしていると、サッカー選手でなくても謎の焦燥感に襲われるのは私だけでしょうか?

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