フォーメーションを嚙合わせる ラリーガ21-22第32節 バルセロナ対カディスより
2022年4月19日バルセロナ(以下バルサ)対カディスの一戦から、「フォーメーションのかみ合わせ」について考える。
試合は、アウェイで降格圏内のカディスがカウンター攻撃を決め先制。ホーム、バルサは7割越えのボール支配率をもって、決定機を作るも決めきれず、1-0で敗れた。
・バルサのビルドアップ
□序盤
この試合バルサは伝統の4-3-3、カディスは4-4-2でセットした。
試合の序盤、バルサはセンターバック2枚+降りてきたピボーテ(ブスケツ)の3枚でカディス2トップのプレッシングをかわした。
□中盤
その後カディスは陣形を変え、4-4-1-1の布陣を敷いた。
これによってバルサ2センター+ブスケツの3枚は人余りの状態になり、バックラインで人員がダブつく状況が発生した。
これに対し、ブスケツがポジションを戻し、中盤の底にポジショニングするも、カディストップ下がしっかりとブスケツをチェック。
そこで、センターバックのE.ガルシアが自分でボールを運び、ブスケツのマークマンにどっちにアタックするか迷いを与えることでボールを前進させた。
□終盤(失点後)
アウェイで格上バルサに1点リードしているカディスは5バックに切り替え、5-4-1で逃げ切りを狙った。
これに対して、バルサはセンターバック2枚のままビルドアップをすることが望ましかった。
しかし、攻めるしかないバルサは直前に、攻撃的な右サイドバックのS.デストとCBのミンゲサを交代させて3バックかしており、またもバックラインで人がダブついた。
これにより、バルサは前線に効果的に人員を配置することができないまま、無得点でホームゲームを終えた。
・まとめ
安定したビルドアップのためには、相手のプレッシングの枚数+1をつくる必要がある。
これは+1が肝要であり、それよりも多いと逆に攻めが手薄になり意味がなくなってしまう。
試合中にこのような配置の変化に気づきコーチングできる選手が必要だと感じた。