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子育て世帯への臨時特別給付金の所得制限について

高所得者の子育てに関する給付金のあり方についてご連絡をいただいています。

それに対する返信のような形で、私の意見を公開したいと思っています。


本当は、議員や政治家としては、そうだよね!所得制限なくするべきだよね!!台東区にもそれ言うよ!!!と区民の方に伝えるのが、「政治家」としてはベストなのかもしれません。
でも、それは私は誠実ではないと思っています。
なぜ、私がこうした意見をもっていて、どのように対応するのか?について、しっかりと説明をすることが、誠実であると思っています。

ご意見の趣旨としては、

・所得制限に納得がいかない。国から子育てを見放された気がする。
・数万円年収があがっただけで対象外になった。手取りは減ったのに辛い。

というようなご意見をいただいているところです。


台東区で暮らす中で、

年収、1000万くらいで都心で家賃も高くて、子どもをこれからしっかり育てようとするときに不安な気持ちも、税金たくさん払っているのに所得制限で恩恵がないというのについても理解できるつもりです。

その上で今回の給付金について、すでにご承知のことも多いかと思いますが、説明させてください。

1,まずは、国の制度であるということ

台東区では、国の業務を委託されてやっている、ようなイメージでして、

基本的には国からの指示通りに作業をするものです。

区として、所得制限を撤廃することを妨げるものではないと報道では見ました。

ただ、その分を国が負担してくれるわけではなく

全額区が支払わなければならない状態です。


全市民に支払う自治体があるのも認識していますが、だいたいは過疎地で、数%しかいない、そもそも子育て世帯の数が少ないというのが、今の所みていると現状のようです。


2,実は区では所得制限があるもののほうが少ない



子育てを見放された気がするとのことですが、台東区単独でやっている事業としては、所得制限があるものはほとんどありません。
縦割りと言われてしまうかもしれませんが、国と区でやっていることが違います。区でできる範囲も限度があります。

たとえば、子どもの医療費無償化。自治体によっては(特に都内以外)一定の所得以上の方には自己負担がありますが、台東区ではすべての子どもが医療を等しく受けられるようにと所得制限がありません。


また、これは区の制度ではありませんが、そもそも子どもがほしいと思ったときに、なかなかできない。。そんなときに不妊治療という選択肢がありますが、ここに来て一気に健康保険の適用という話が進んでいますし、さらに今まで夫婦合算の所得が730万円未満しか得られなかった不妊治療の補助金が所得制限が撤廃されました。

台東区でもそれにあわせて所得制限が撤廃されています。

あとは、関係ありそうなものとしては保育料などでしょうか?「区の裁量の範囲では実はほとんどない」と申し上げた「ほとんど」という部分では補助金ではありませんが、

補助金の額が年収によって、変化しています。

おそらく保育料を支払う側(私もです)からすると、年収が高かったら月に7万以上も保育料で取られるじゃないか?と思われるかと思います。

ただ、これには2つポイントがあります。

1つが、そもそも公立園で0才児保育をすると税金で負担している金額は20~50万/月 とも言われています。なので、お金がない人には、ちょっと保育料をまけてあげている、というようなイメージでいただけると

わかりやすいのかな?と思います。

また、国の基準では最高額は10万くらいなのですが、そこは区で負担をして、もう少し安くしているところです。

3,1,2を踏まえて台東区でできることは?

現状、5万円の給付の予算がおよそ9億です。

10万円になった場合には、おそらく18億程度。

これが全国平均だと9割の人に支給されるということになります。残りの1割に支給するためには

最低でも1.8億、台東区が単独で負担する必要があります。
(全国平均でこちらでは延べていますが、もう少し多くなると認識しています。議会答弁で正確な形で情報を得ていないので、ネットでの公表は避けますが、気になる方は個別に連絡ください。)

正直に申し上げるとそこまでの余裕が台東区にはありません。

区長が自由に使えるお金(政策として、という意味です。たとえば下町コメディ映画祭とか、区長肝いりの政策)

は1~2億とも言われており、それを到底うわまわっていて、できれば、そのお金があるならば、区で使いみちを決められるならば、私としては理由を問わず使えるベビーシッター制度の導入や、食べるものや生理用品などにも困っている子どもへの支援に使いたい。と思っています。

決して、所得が一定の人以上の子育てをないがしろにしているわけではありません。

区が決めて実施する事業なら、そのあたりも踏まえて制度の設計をしろ!

と区議会議員として言えても、国が決めた制度で勝手に区のお金が、しかも大量に使われることは避けたい、と

区の財政をチェックする身としては考えています。

私も、実は、所得制限なくて給付できないのかな?と対象者の数を聞きました。でも、さすがに多すぎました…

また、国の今回の給付金、借金なんですよね…

将来私達の子どもが返すことになる借金。

そもそも今回のバラマキ(とあえて言わせてください。必要な方に届くこともあわせて願っていますが、今回給付するならばなぜもっと早くできなかったのか?もっと困っている人もいるよねという思いがあります。さらにこの不備の多い制度設計。怒りが抑えられません)

自体が選挙目的だったよね、と懐疑的に見ているところです。

4,私含めた区民にできること

特別給付金は国の制度です。

せっかく私にご連絡を頂いたのですが、すみません。区単独でお金を増やすことはなかなか賛成できるものではないのと

そもそも、国が(特に自民党が!!)所得制限をつけるべきととおしたと報道では目にしています。

ぜひ、自民党の議員台東区ならば辻さんや松島さんですね。

に実情についてご連絡をしていただければと思います。

私の方からも、知り合いの国会議員に伝えていきたいと思います。

(知り合いの議員はだいたい自民党ではないのですが・・・)

また、次の選挙のときに、そのあたりも含めた意思表示をしていただくことをお願いしたい、と思っています。

5,参考になるもの

高所得者であってもサービスは均一に受けられる社会、のほうが本当はいいのでは?と私も思っています。
(現金給付ではなくサービスの給付がベスト)

北欧型の社会ということで、税金は上がるかもしれませんが、

その分、サービスが均一に受けられる、子育てや老後の心配はいらない、

そんな社会がいいな、と井手先生の話を聞いて、本を読んで思っています。

税金をあげるということは反対も多いかと思いますが、

https://www.shogakukan.co.jp/books/09388819

どういった社会がいいのか?

考えるご参考にしていただければと思います。

それでも、ぜひ引き続き、区の行政サービスを使う上での課題点やなにか気になることがあれば

お気軽にご連絡いただければと思います。


台東区議会議員 本目さよ(ほんめさよ)


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