ガザ沖、アラブ諸国は米国が恐れをなした場所に殺到する
数カ月に及ぶ効果的でない世論との駆け引きの結果、アメリカの外交的威信は記録的に低下している。
ModernDiplomacy
ジェームズ・ワット
2024年3月27日
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米軍艦船がガザ沖に港を建設するために出航するなか、ガザで進行中のハマスとの戦争において、友好国であり同盟国であるイスラエルに自制を求めることができない超大国に、世界は困惑したままだ。
数カ月に及ぶ効果的でない世論の駆け引きの結果、アメリカの外交的威信は記録的な低さとなっている。
バイデン大統領は、何十万人もの避難民や飢餓に苦しむパレスチナ人への人道支援物資輸送を支援するため、一時的な浮桟橋を建設することを公約に掲げているが、これは再選を争う前の最後の賽の河原である。
この動きによって、ガザに届く人道援助に対する締め付けが緩和され、将来のパレスチナの政治的解決の道筋が決定的になることが期待されている。
しかし、これは結局のところギャンブルであり、うまくいかないことも多い。軍部には長い記憶がある。1967年、USSリバティは6日間戦争中に通信傍受中にイスラエルの魚雷にやられた。この悲劇は常に事故とみなされたが、それでも34人の米軍水兵が死亡し、171人が負傷した。
おそらく、ハマスによる挑発的で大げさな攻撃を阻止するために、アメリカはイスラエルの反対にもかかわらず、カタールに桟橋の運営と資金の大部分を提供するよう要請したと見られている。
桟橋建設に向けたアメリカの動きは、既存のイニシアティブの上に成り立っている。昨年11月、キプロスはガザへの海上回廊の設置を提案した。
キプロス経由の海上回廊という形で、アラブ首長国連邦が（援助資金を通じて）最新の取り組みの中心となっている。
今月初めに開始されたこの回廊は、援助団体が警告しているように、陸上輸送の代わりにはならないが、ガザ住民の苦しみを和らげる一助にはなる。
ヨルダンのような他の地域諸国も同様の取り組みに着手しており、アンマンはガザに2つの野戦病院を提供している。12月には、UAEがそのうちのひとつを提供した。ヨルダンの航空機は、イスラエルとの長年にわたる協定に基づき、エジプトやUAEを含む他のパートナーとともに、援助国から提供された医療品や食料品を投下している。
アブダビはまた、数百万ドルの人道援助をガザに提供し、重傷を負った子どもたちのために医療用エアブリッジを設置した。これまでのところ、600人以上がラファ経由で避難し、治療のために首長国連邦に運ばれている。
アブラハム合意に関与した戦略的先見の明のおかげで、UAEはイスラエルとの外交関係を活用し、驚くべきスピードで子どもたちを救い出すことができた。
このような緊急かつ現実的な考え方は、欧米のパートナーにはほとんど見られない。アブラハム協定の全調印国の中で、UAEは長期的な平和を支援するために最も積極的で成熟した外交を展開している国として際立っている。
アブダビは、2国家解決という目標へのコミットメントを政策の中核に据えており、現在では、米国主導の海上供給ルートと、ガザの破壊されたインフラの将来的な再建のための大規模な資金提供に踏み出している。
ガザの隣では、IMFが崩壊しつつあるエジプト経済に対して80億ドルの緊急支援を行ったが、同時にアブダビの投資会社ADQがエジプト国内のプロジェクトに350億ドルを投資すると発表し、中央銀行に重要な追加バッファーを提供した。
エジプトを安定させることは、地域全体のダメージを修復するために不可欠だが、イスラエルとパレスチナのタンデムに実行可能で安全な未来を設定することは、はるかに大きな課題である。
遅ればせながら目覚めた米国は、アラブ首長国連邦やサウジアラビアといったアラブのパートナーから、莫大かつ揺るぎない財政的・外交的支援を受けている。