最高!!! 高関健指揮ブルックナー「交響曲第8番(第1稿・新全集版ホークショー校訂)」東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団_2024年9月6日
最高! 最高!! 最高!!! 高関健指揮によるブルックナー「交響曲第8番(第1稿・新全集版ホークショー校訂)」を聴いてきました。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団。
こういう音のブルックナーが聴きたかったのですよ!
あの時も、この時も、世界は美しく、人生は尊い。神の創りたまいし自然の中で、今この瞬間も神に愛されていることを知るような音楽。
鬱蒼としげる仄暗い森の底から、時々樹々の隙間から見える光に圧倒され、憧望とともに必至に手を伸ばし続けるような、第1楽章。
ヴァイオリンがいよいよ音楽を立ち上げる瞬間に、鳥肌が立ち涙が溢れました。綺麗にまとまっている音ではなく、むしろホルンが音を外したり、少し粗い部分があっても、胸を打つ。
感情がありありと伝わる音ーーー。
個人的には「ハース版」が好きなのですが、ブル8が偉大な曲であることは変わりません。
「ブル8」については色々な印象を持つ人がいますが、私にとって「ブル8」は、美しい情景を丁寧に集めた短編集の様な交響曲で、とくに初めて聴いた時は涙で視界が滲みました。
けして触れることの叶わない、永遠の憧憬。
かけがえのない記憶や、遠い昔の何気ない光景に満ちていた無償のやさしさ。
命が尽きる瞬間に、走馬灯を見ている様な気持ちになる。
先日、かけがえのない30年来の親友を天に見送ったので、特にそう感じるのかもしれないけれど、たとえば私の命が尽きる瞬間に皮膚の内側を巡る走馬灯は、「ブル8」を聴くときに見えるような、美しい情景であってほしい。
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽、【ブルックナー生誕200周年】ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調(第1稿・新全集版ホークショー校訂)。
1楽章から涙が溢れ続けたのでマスカラは溶けて消え去り、スタンディングオベーションをしたので、髪がボサボサです。
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