「物語と演劇」をテーマにした、古海行子のピアノ演奏会_2023年9月9日
古海行子(ふるみ やすこ)さんのピアノを聴きに、めぐろパーシモンホール・小ホールに行ってきました。
古海さんは、2022年第12回ダブリン国際ピアノコンクール第2位を受賞、2021年第18回ショパン国際ピアノコンクールセミファイナリストなどの経歴を持つピアニスト。
今回の演奏会は、「物語と演劇」をテーマにしており、前後編でバラードと舞踏が対になるように選曲したそう。
私は好きなピアニストが大きく分けて2タイプいて、1つは音に宿った圧倒的な想念で聞き手の想像力を掻き立て続け、あるいは光で包み込み、音を通して溢れ続ける映像や感触といったインスピレーションで、聞き手の想定を遥かにこえる体験をさせてくれるピアニスト。
あくまでも個人的な好みですが、私にとってアンヌ・ケフェレックさんや辻井伸行さんの演奏がそれにあたります。
(異論やお叱りがございましょうが、あくまでの個人的な好みです。何卒ご容赦をいただけますとうれしいです)
もう1つは、終始安定した美しさで作曲家が曲を通して描く世界を丁寧に伝えてくるピアニスト。
私にとって古海さんのピアノは後者で、聴きながら内観し、己に立ち返って行くような気分になりました。
週末の晴れた昼下がりに並木道を抜けたホールで聴くのに似合う、とても気持ちの良い演奏でした。
リストの「バラード第2番」は、冬によこすか芸術劇場で聴いた藤田真央さんのピアノにすっかり魅了されたものですが、今回もしみじみいい曲だという感想を持ちました。
ストラヴィンスキー「火の鳥」は、終盤で鳥肌が立ちました。
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