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「いくら稼ぐと税金はいくら?」という質問には答えられない。税金計算に最低限必要な情報とは

先日
「どのくらい稼いだら、どのくらい税金がでますか?」
という質問をいただきましたが、

この質問にパッと答えることはできません。

なぜなら
「稼ぎ」だけわかっても
税金は計算できないからです。

何がわかれば
ざっくりとした税金の計算ができるのか

個人事業主向けに
税金の計算のしくみをお伝えします。




税金の計算には「稼ぎ」だけでなく「経費」「所得控除」の金額が必要

個人事業主には
「所得税」と「住民税」がかかります。
※人によっては事業税や消費税もかかりますが
ここでは割愛します。

所得税や住民税は、
稼ぎ(=売上、収入)に対して課されるのではなく

稼ぎから
「経費」「所得控除」を引いた
「課税所得」に対し
税率をかけて計算します。

※「青色申告特別控除」や「税額控除」などは割愛しています。


そのため
「稼ぎ」だけわかっても税金は計算できず、

「経費」と「所得控除」の金額がわからないと
どのくらい税金がでそうか
お答えすることができないのです。

ざっくり税金を計算するには、最低限
「稼ぎ(=売上)」「経費」「所得控除」の3つの金額が必要


経費とは

経費とは、事業をするのに必要な支払いです。

いくら経費がかかるかは
事業形態によって全然違います。

例えば、

・自宅開業
・パソコン1台あれば仕事ができる
・人は雇わない
という場合、それほど経費はかからないでしょうし、

・店舗や事務所を借りている
・設備が必要
・人を雇う
という場合、それなりの経費がかかるでしょう。


所得控除とは

所得控除とは、それぞれの個人的事情を考慮して
一定の金額を引くものです。

所得控除は15種類ありますが、
金額が大きなものは

・社会保険料控除
・医療費控除
・配偶者控除
・扶養控除
・基礎控除(ほとんどの人は48万円)

でしょう。

所得控除がいくらになるかは
・社会保険料や医療費をいくら払ったか
・所得のない家族は何人いるか 
などの情報が必要です。

人によって金額が全然違います。


税率はどうなっている?

税金は
「稼ぎ」から「経費」と「所得控除」を引いた「課税所得」に
税率をかけて計算します。

所得税と住民税では
税率が違います。

所得税

所得税は「累進課税」といって
所得が大きければ大きいほど税率が高くなります。


国税庁HP「No.2260所得税の税率」より

課税所得が700万円であれば
所得税は
700万円×23%-63万6,000円=97万4,000円 になります。

住民税

住民税は累進課税ではなく、
一律10% になります。

課税所得が700万円であれば
住民税は
700万円×10%=70万円 になります。


稼ぎが同じでも人によって税金は違う

稼ぎ(=売上)が同じであっても、経費や所得控除の金額が違えば
税金は全然違ってきます。

例えば
売上1,000万円といっても

■コンサル業
・自宅開業
・パソコン1台でOK
・人は雇わない
・家族なし
売上1,000万円、経費300万円、所得控除150万円 であれば
所得税:(1,000万円-300万円-150万円)×20%-427,500円≒47万円
住民税:(1,000万円-300万円-150万円)×10%=55万円

一方、

■飲食業
・店舗
・設備が必要
・人を雇う
・所得のない配偶者と子どもがいる
売上1,000万円、経費900万円、所得控除200万円 であれば
所得税・住民税:1,000万円-900万円-200万円<0 ∴0円

このように
「稼ぎ」だけわかっても税金の計算はできず、

「経費」と「所得控除」の金額もわかったところで
どのくらい税金がかかりそうか
お答えすることができるようになります。

※経費や所得控除の金額はテキトーです。
※住民税の均等割、所得税と住民税の所得控除の差額などは
考慮していません。


★編集後記
グラフィックレコード(グラレコ)を練習しています。
税金の話をとっつきやすくするのに
役立つといいのですが。



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