【あつまれ！東方ステーション2024】レポ 4　あつまれ！東方ネクストスタァ誕生（仮）　 堕武者グラインド featuring 咲子

ホーミング紅魔館

堕武者グラインド featuring 咲子


オープニングアクトを披露いただいた彼らによる、本年ついに実現した単独出番です。
堕武者グラインドの扱うジャンルである「グラインドコア」とは、過激かつ暴力的な音楽性が特徴の、 おおよそ一般向けとは思えないマニアックなジャンルです。私はこの東方アレンジがすごい！以降から堕武者グラインドの音楽に触れ始めたばかりですが、その過激かつ独自のスタイルにすぐに魅了されました。
昨年のあつまれのオープニングアクトでAgaiさんが身につけていたシャツの字が

「メロブの委託が6連敗」

流石に草。そういうサークルです。
そんな彼らの単独出番がなぜ入場無料のポップなイベントで実現したのか。

東方ステーションと堕武者の縁は、東方ステーションの番組「この東方アレンジがすごい！2020-2021」内で「このサークルがひどい」に彼らの楽曲「断面」がノミネートされたことに端を発します。どうひどいかはもう皆まで言いません(リンク貼れませんごめんなさい…)。にもかかわらず、替え歌がテーマ曲になるまでの大抜擢。
さらになんと翌年「この東方アレンジがすごい！2022」でも、「このアイデアがすごい！」にて、「東方糖尿闘病奇譚」が頒布書籍と合わせてノミネートされます。特にAgaiさんが体を張っています。
癖の強さも愛され二年連続でノミネートされた彼らの楽曲。そんな中行われた「この東方アレンジがすごい！2023」にはゲスト審査員として草野華余子さんが参戦しました。番組内では、草野さんの独自選出による「草野華余子セレクション」が紹介されたのですが、その終盤、なんとなんとこの中の特別賞に相当する 「草野華余子の超すごい!2023」に選ばれたのが、彼らの「怨みはチカラ、憎しみはやる気」 です。
草野さんが東方アレンジ方面に大々的に露出するようになったのは、「東方ダンマクカグラ」テーマ曲の「幻想に咲いた花」を岸田教団&THE明星ロケッツとのコラボレーションにて発表して以降のことです。それまで東方ステーション番組ゲストとして登場したこともありませんでした。
したがって、草野さんは2023年以前の「断面」「東方糖尿闘病奇譚」の東方ステーション内での文脈を知らずして、純粋に曲の出来映えに着目して堕武者グラインドの楽曲を高く評価した のです。現に超すごい受賞時点で、サークル名の堕武者グラインドという名を呼称しておらず、楽曲エントリー番号の「34番」と呼んでいます。ノミネートに際し、文脈を知っている東ステスタッフから草野さんは正気を疑われていました。

私はこれを、もはや東方ステーションを取りまく運命的な何かが堕武者グラインドを再び所沢のステージに呼び寄せたとしか思えませんでした。平たく言うと彼らは持っています。彼らの単独出番こそ、3年に渡り続いた「この東方アレンジがすごい！」の締めくくりにふさわしかったと言っても過言ではないです過言です。

199:59 この日のために初化粧をしてクラウザーさんを彷彿とさせる白塗りで現れたAgaiさん。どんな気合いの入れ方だ。本当に平場ではAgaiさん含め堕武者の皆様はめちゃくちゃ丁寧で真摯な方々なんですよ。
彼らの演奏の反応は、(自虐含め)「Kimさんデスボ喉大丈夫？」「うるさい」「子供泣くぞ」「←泣いちゃった😭」「曲短い」「MCはスンッと静かなの温度差で風邪ひくわ」
もう彼らの世界、Welcome to undergroundに満ち満ちています。

204:30 「怨みはチカラ、憎しみはやる気」。
ピュアヒューリーズの原曲フレーズを忠実に、かつ原曲よりハイテンポに落とし込んだアレンジですが、開催前の私は「これ歌えるの？」と疑問視してました。難しすぎるだろうから。
ここで注目すべきはゲストボーカルの咲子さん。歌えてます。何でやねん。
というのも、少女理論観測所(以後、しょじょろん)等他サークルのボーカルとしての活躍が有名な咲子さんは、主観ですが すこぶる歌唱力が高いです。クリアでパワフルなヘッドボイスに定評のある咲子さんでないと歌えないと思われる歌やパートが、しょじょろんの楽曲を初め幾つもあります。
そんな咲子さんでなければ実現し得ないであろう(生でなんて言わずもがな)楽曲の一つが「怨みはチカラ」です。あと歌唱力以前に協力してくれる女性ボーカルの存在自体が希少かつ貴重だと思います

207:14「酔いどれ狸が能登を往く」。
能登半島地震からの復興を目指す能登・石川県を応援するために、マミゾウが能登をはじめとする石川県の名所で美味しいものを取材する楽曲です。飯テロ曲なんて言われていますね。2024年5月3日の春例でチャリティ企画として頒布された楽曲で、売上のほとんどを彼らは復興支援のため寄付しました。
私もこの社会的意義に深く共感して手に取りましたが、その背景にとらわれず、一東方アレンジ曲として是非改めて聴いてみてほしい です。堕武者としては珍しく人を選ぶ表現等は無く、佐渡の二ッ岩アレンジとして大変かっこいい仕上がりになっています。マミゾウ役を演じた声優そらまめ。さんの可愛い演技も必聴。コールも楽しく、「酒飲め！」「牡蠣焼け！」もう一回やりたいです。

終演後見事に疲労困憊のAgaiさん、本当にお疲れ様でした。

様々な奇跡的噛み合いの中で実現したのが此度の堕武者グラインドの出番なのでした。怒涛の10分でした。これからも彼らの活躍から目が離せません。

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