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ちいさな歯の話⑧
歯列矯正を始めてから、今日でちょうど1年が経った。
矯正器具をつけたてだった頃は、少しの衝撃で外れてしまうような華奢なワイヤーも、今では指で押してもたわまない、恐ろしく太いものに変わった。(ここ数ヶ月間の器具の調整は、それを口の中に入れるなんて正気か?と思うほどゴツいペンチで行われる。)
腹がたつほど痛かった抜歯なんてとうの昔に乗り越えたし、真っ赤に腫れ上がっていた抜歯の傷跡も今では穏やかな更地と化している。
日々、歯が動く鈍い痛みとともに過ごしてはいるけれど、1年もたつとその程度の痛みには慣れっこになり、食事制限をすることもなく、特に生活に影響はない。
さらについ先日、先生からずっと言われたかった「こんなに歯が動くなんて、なかなかないですよ」という言葉までいただいた。
最近は久しぶりに会う友達に輪郭や横顔が整ってきたと褒められるようにもなった。なんだか矯正を通して自己肯定感まで上がってきている。
慣れてきているし、ポテンシャル(?)も高いようだし、着実に効果が出てきているしあと1年適当に過ごせば終わる。なんてイージーなんだ…。
と、高を括っていた私を「馬鹿め」と言いながらはたきたい。
というのも、つい3日前からゴム掛けという治療が始まった。
ゴム掛けは上の犬歯と下の小臼歯にゴムを引っ掛けて、グッと歯を後ろに押し込むという荒治療で、それはもう痛い痛い。
特に朝目覚めた時は、痛すぎてもはや笑えてくる。
半笑いで朝ごはんを食べると歯の付け根に鈍痛が走り、噛んだ拍子に歯が砕け散るのではないかと思うぐらい痛くて泣き笑いに変わる。
急に残り1年の見通しが悪くなった気がするが、どうしようもないので気合で乗り越えていこうと思う。