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どうしてもウン○が我慢できない【3】
世の中には、二種類の人間がいると思うよ。
開いてる奴と、閉じてる奴。
俺は開いてるでしょう。(穴が。)
漏れるとき、こんなに科学技術の進んだ世の中なのに、俺の肛門括約筋は実に無力だな、そこは縄文時代から同じだな、などと思う。奴らの中にも「ウンコマン」というあだ名の奴がいたのだろう。ウンコマンをイメージした土偶があるかもしれない。
3.ウンコ漏らしの魅力
あなたは、昨日食べたご飯を覚えているだろうか?私は、そういうことはすぐに忘れてしまうタイプの男である。
麻雀をしていても、流局の瞬間に、自分の手牌はすべて忘れてしまう。GOLFもPAR3なのに何打で上がったのか全く覚えていられない。何曜日がゴミの日かもわからない。何チャンネルが何テレビなのかも一度も覚えたことがない。
今までの人生で嬉しかったこと、悲しかったこと、怒ったこと、楽しかったこと、その全てを思い出そうとしても、まずは考え込んでしまう。一体、どれが記憶に残る「強烈な」思い出だっただろうか。
しかし、私は覚えている。はっきりと覚えている。漏らしたウンコのことだけは。絶対に忘れない。忘れられないのである。
「…。」
あの日。運転中、強烈な便意に襲われた私は、信号を無視してデイリーヤマザキに駆け込んだ。同乗者の「頑張れ!」が「漏らせ!」にしか聞こえないという、幻聴の症状さえ起きた。「コンビニのトイレに命を賭けるのはギャンブルだ。誰もいない便器を目視するまでは、絶対に勝ったと思うな。」という格言が生まれた日だった。先着がおり、漏らしたため、この事件は「ウンコ出入りーヤマザキ事件」として記憶されている。
「…。…。」
あの日。駐車場で急激な便意に襲われ、イオンの中を脂汗の顔面蒼白で駆け回った挙句、個室が満席、あと少しのところで、俺は漏らしたんだ。誰にも悟られまいと、壁にもたれかかり、前髪をかき上げるしぐさで、俺は漏らした。イオンは何かと便利なんだ。漏らした時も。間に合わせるためにも。どっちにも転べるんだ。そう、イオンならね。
「もりっ…。」
真面目な話、現代には「リアル」の体験が不足している。素足で地面の上を歩いたことがない、川で泳いだことがない、等である。国語ができない奴は、リアルさがイメージできずに感情や描写に「憑依」出来ない。感情や感覚の表現・語彙も少ないので、ニュアンスの微調整ができず、ちょうどよく強く響く言葉を選び綴る能力が、あまりに乏しいと感じる。
「んもりもりもりっ…!」
気に入ってるから連発してるってわけじゃないよ。この言葉に、ウンコ漏らしの全てが入っているのだ。That's All.
私の中の膨れ上がる小宇宙(コスモ)が、こんなにも、こんなにも我慢して奔走したのにも関わらず、無常にも、いや、しかし温かく優しく染みわたるそう、母の胎内を想起させる、圧倒的なその脱糞は、一瞬、全ての時を止めるのである。ザ・ワールド。
(子守歌のようなオルゴールがBGMとして流れる)
そうだ。思い出してごらん。
君も、漏らしていたよね。
毎日のように。君は、トイレに行くことをまだ知らなかったね。
あの懐かしいぬくもり。
黄色く黄土色の茶色。
お母さん。おばあちゃん。いつも、俺のおしりを拭いてくれていたね。
ありがとう。
(「ズキュウウウウン!」…現実に戻る効果音が鳴る)
そして時は動き出す。そして深く脳裏に刻まれる。
食物連鎖。諸行無常。原始体験。日常から非日常への突発的飛躍。
それが、「ウンコ漏らし」の魅力なのだと、私は強く思う。
次回、ウンコ漏らしの技術。
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