どうしてもウ○コが我慢できない【1】
齢38。立派に自立した大人なのに。
どう考えても、私は人よりウンコを漏らす回数が多い。
2019年には、3度のお漏らしと3度の未遂事件が人知れず起こり、その度に私は戦慄した。
今日から5回にわたりクソコンテンツを発信します。
1.ウンコ漏らしの実況
朝、家を出て車に乗り、目的地に向かおうとすると、急にそいつは襲いかかってくる。
急に男が走り出てきて、フロントガラスを割っていく事件があったが、あれとほぼ同じである。運転手はゾッとしただろう。あんなことが起きたらトラウマになってしまう。それと同じことが私の場合、肛門という門の奥で起こっている。
トラウマといえば、私の姉は、幼少期、誕生日に調子に乗ってケンタッキーのチキンパック(バケツ)、寿司、ケーキ等々を喰いまくり、夜中に腹を壊して、そのバケツ満杯に、大量のケンタッキーをフライド・チキンしていた。それ以来、彼女はケンタッキーのビスケットしか食えないというトラウマを抱えている。私はその事件を「アンハッピーバースデイ・カーネル・リバース」と呼んでいる。
カーネルリバースは防げると思うのだが、私のウンコリバースは急すぎるのだ。ボルテージはいきなりMAXなのだ、地震で言えば、初期微動がない。いきなり主要動から始まるのである。緊急ウンコ速報が仮にできたとしても、意味をなさない。8秒後には、そこは鉄火場である。
最寄りの駅に停める。路上駐車だ。もう、停めるしか、ないのだ。それしか選択肢はない。判断力も全くない。なぜなら、肛門はMAXなのだから。意識は全て肛門と太ももに集中している。(漏れる前はなぜか太もも付近が痛い。)
今年2月に鹿児島に行ったが、桜島の付近では火山灰が降り積もるため、克灰袋(かつはいぶくろ)が配られるらしい。いや、そんなことを思い出してどうする。私の桜島は現在、火山灰ではなく溶岩の準備ができている。なんなら少し出ているのだ。克灰袋でいいわけがない。
走る。いや、走っていいのだろうか。走ったせいで、出てしまわないだろうか。そして、競歩が始まる。走るでは強すぎ、歩くでは遅すぎるのだ。
電車になど乗るつもりはないのに、改札を通過しなければならない。トイレは絶対に、いつでも、改札の先にあるのだ。退場する時面倒だが、そんなことは今言ってら
「バコンッツピポーン」残高がない。
ハエのように、内またにした足をすりながら、優しく足踏みをし、頭の中でやばいやばいを繰り返す。やばいというか、もう何かしらの溶岩が「ご挨拶、よろしいかしら」と、また、居酒屋の暖簾をくぐり、常連が「大将、やってる?」と、言っている気さえする。それなのに、Suicaが全然スイスイ通れない。
改札を抜け、私は勝ちを確信した。多目的トイレが空いている。男子トイレの個室まで行くリスクは負えない。そして多目的トイレに飛びこんだ。私の肛門はホッと安心したようだ。いよいよ開店である。ズボンを下げようとした。
いや、多目的トイレのドアは、実に、開閉が遅い。1秒が永遠(とわ)に感じられるほどに。
私は、向こうから歩いてくる女性と目が合った。
少し、はにかみながら私は、目をそらしながら。無情にもゆっくりと閉まってゆく扉と、元気に勢いよく開いてゆく肛門のアンバランスなハーモニーの中で、ウンコの出る準備のない、ケツと太ももの間に、
「もりもりもりっ。」
という、効果音を聞いた。
「もりもりもりっ。」
聞きなれない音である。
私のパンツの中は、もはや「すしざんまい」!とばかりに、社長が手を広げるポーズを取っていた。
次回、ウンコ漏らしの処理。