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レメディのプルービングってなに?


プルービングはこのようにして行われます


プルービングは英語で書くとprovingです。

proveとは証明するという意味なので、
ホメオパシーでいうプルービングとは「それがどんなものか明らかにする」という感じでしょうか。

ハーネマン先生が、キナがマラリアに効くと聞いて、実際に自分が飲んでみたように!

プルービングは、健康な人がどんなレメディを摂取しているのかを知らされずに一定期間摂取して、

どんな気持ちがしたか、どんな状態になったか、どんな症状が出たか、どんな夢を見たか、などなど

様々な分野に及んでそれぞれの情報が集められて、共通する項目を抽出する作業だそうです。ある程度の人数で実施されるようです。

とても実践的です!

実験して、共通する再現可能な項目だけを抽出する。
と考えるとレメディのプルービングは非常に科学的に思えます。

ハーネマン先生の時代からあるレメディでも、今でも症例が集められて、ホメオパスの間で学会などで共有されています。

古いものにとどまらず、新しいレメディも年々増えています。海外では、そういった新しいレメディを使った症例を載せた本も多く出版されています。

私が専属通訳をしていたホメオパスのS先生は世の中にないレメディも、
これだ!と思ったものがあれば新しくレメディとして作ることに躊躇せずに取り組まれていました。

こういったプルービングを経て、どのレメディがどの症状に有効なのかという情報が集められています。

プルービングはホメオパシーのとても大切な要素と言えると思います。

こうして得られた情報が百科事典のようにマテリアメディカと呼ばれる分厚い本に載せられています。

レメディごとにまとめられているもの(マテリアメディカ)と、症状ごとにどのレメディが有効かまとめられているもの(レパートリー)があります。

診察の中でのプルービング


プロのホメオパスは何千種類もあるレメディからあなたに合うレメディを見つけるのに、さまざまな角度から話を伺います。

最初の診察ももちろん大切ですが、もっと大切なのはそのレメディを飲み始めてからの変化に注意深く目を向けることです。

ただ仮にレメディが合わなかったとしても、重篤な副作用が出ることはありません。

しかし、この「プルービング」というのが起きることがあると考えられています。

例えば元々そんな症状はなかったのに、なんだかとても皮膚が痒いというようなことが起きてくると、もしかしたらレメディのプルービングが起きているかもしれないと考えらるようです。

そういったレメディの特徴のある側面が強く出てしまった時には、レメディが持っている性質が影響を及ぼし過ぎているのではないかと考えられるようです。

しかし、劇的に性格が人が変わったようになるようなことや、酷い副作用が出ることはありません。

もしプルービングが起きてしまったとしても、レメディを辞めたり、変更したり、対処すればすぐに消えるものです。

これはとても些細な変化ですし、もしかするとプルービングが起きているのではなくて、レメディが効いてかつてあった症状が戻ってきたのかもしれず、このまま飲み続けた方がよいのかその判断を下すのは容易ではないと感じます。

経験と知識と必要に感じます。

クラシカルホメオパシーの治療で最も大切なのは、経験も知識も持っている自分に合ったクラシカルホメオパスに出逢うことかもしれません。

(私がS先生の通訳をしている間に、プルービングが起きていると先生が判断なさったのは1度あったかなというほどです。プルービングは健康な人に起こるものですから、少なくともホメオパスが治療を目指して選んだレメディが原因で起こる確率は低いのではないかと私は思っています。)

弓矢で狙い撃ち!


私はホメオパシーはとても効果が高いと確信していますが、その高い効果が見られるのは自分に合ったレメディが見つかった時です。

S先生のされていた表現を使うと、ホメオパスは弓矢で的を狙うように、どのレメディがこの人のレメディだろうかと探します。

ばっちりと的の中心に当たった!
そうであれば最高です!

ですが、熟練のホメオパスでも一発で的の中心に当てるのは至難の業です。

大雑把な例えですが、塩のレメディを処方したけれど、再診で変化を見てみるともう少し違って硝酸ナトリウムだった、とか、塩化マグネシウムだった、など、ほんの少しの違いが明確になって、より的に近づいていくこともあります。

一本目は中心でなくとも、飲んでの変化で的がよく見えるようになります。中心に当たる可能性も少しずつ高くなります。


どんな治療法でもそうだと思いますが、試してみてどうだったか変化をみることで良い方向に効いているのかどうかわかります。

ホメオパスの診察を受ける機会がありましたら、一発であなたにばっちりあったレメディが見つかると期待せず、また思うような変化がすぐになかったとしてもどうかがっかりせずに、再診を受けてどんな変化が自分に起きているか繊細な目を自分に向けて欲しいと思います。

突然、劇的に良くならずに穏やかに良くなっていくので、忙しい日々の中でその変化に気が付きにくいこともあります。

逆にレメディを探すにあたって、自分が持っている症状に気が付かないことも大いにあります。

次回はそのお話しをお話したいと思います。

火曜日と金曜日の午前中にUPします!

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