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36.お金に対する考え方を海外仕様にアップデートする


お金に対する考え方を変える必要がある

日本のお金に対する考え方

日本で長らく生きて来て、
お金について言及したり、より多くの給料を求めたり、お金にがっつく事は、成金や卑しい人がする事だと、親や同級生を含めて、周りの人から教えられて来ました

自分の素の考え方で日本社会とは非常識な感覚で生きていた子供の頃、
こうした日本でのお金に関するタブーを犯し、怒られたり、嫌われて来ました

今の自分の状況として、駐在員の配偶者にも労働許可が下り、
海外で仕事を探そうと思っています
その為に、語学力の向上や、色々と必要な事を調べ、準備をしています

その中で、面接で聞かれる質問/回答を見ていて、給料交渉が当たり前の様な、
何か日本とはお金に対する考え方が違うと感じました

また、海外で生活している中で地元のニュースを見ていると、賃上げのストライキが非常に長い期間続いている光景を目にします
自分たちの給料を上げてもらう為、自己主張をしっかりしている光景は、何か日本とお金に対して違う考えを持っていると感じました

自分が過去お金に対する考え方を矯正されて来たことから顧みるに、
多くの日本人は、慎ましく暮らす事が美徳と考える人が多いのではないかと思います

その結果、自分の働きに見合った給料アップを求めず、自分なんてまだまだと、
自分を安売りしてしまっているのではないかと推測します

外国の物価は上がる一方で、自分達の賃上げを要求しないが為に、
日本はどんどん貧乏な国になってしまっている一因の様に感じます

政府や企業等、誰かが数百円程度の賃上げをしてくれるのを待っているだけでは、
苦しい状況からの抜け出せないのだと日本を出て気が付きました

外国で働くとなれば、自分はどのくらいの賃金を要求するのか、
自分の価値を自分から提示できる様になる必要があると感じました

その為には、日本で長らく植え付けられたお金に関する思い込みを刷新して行く必要があると感じ、
この場で整理をしたいと思います

お金に対して持っている考えを整理する

1.貯金は良い事

子供の頃、お年玉やお小遣いなど、無駄遣いせずに貯金していると、
「無駄遣いしなくて偉いね」と、母親や祖母からよく褒められました
特に祖母から褒められた記憶があります

恐らく、自分の行動に対して、褒められたことで“貯金=良い事”と経験則的に埋め込まれているのだと思います

ひと昔前の銀行の定期預金の金利が高かった頃は、銀行に預けてさえいれば、金利でお金が増えていた為、貯金は良い事であったのかもしれません

けれども、昨今の低金利では、銀行に預けていても、金利はほとんど付かず、
円の価値はどんどん下がっている一方で、あまり貯金ばかりをしていると損をする可能性があります
もちろん低金利にメリットは貯蓄以外でもあります

ではなぜ、祖母は貯金は良い事と今も考えているのでしょうか

祖母は第二次世界大戦の時代を経験しています
貯金は良いことであると思っているのは、時代的背景が影響しているのかもしれないと思いました

経済や投資に関して勉強する為に導入として、「インベスターZ」という漫画を読んだことがあります
この漫画の中で、
江戸時代の時点では、日本は積極的に投資をしていた
けれども、太平洋戦争を開始するにあたり戦争費用捻出の為に、貯蓄を強く提唱し投資から貯蓄へ移行した
また、戦後早急な復興の為に資金が必要で、太平洋戦争時と同様に国民へ貯蓄を強く提唱し、日本人は投資ではなく貯蓄という現在に至る
という描写がありました

この漫画で記載されていることの真偽は、経済の歴史に関する専門知識の無い自分にとって、判別がつきませんが、
推奨キャンペーンのニンジンに釣られ、
今自分たちが置かれている外部環境から、貯蓄や投資がどういうメリット/デメリット、ないしはリスクがあるかを考えること無く、
貯金をせざる負えない環境と貯金してみたら良い結果が得られた事で、
経験則的に貯蓄は良いものとして刻まれた可能性があると思いました

現在の様に、十分な教育を受けられなかったり、
女性が十分な教育を受けられることも無ければ、
インターネットで日本だけでなく海外の様々な情報を得られなかった時代を生きていた祖母は、
経験則から学ぶしかなかったとうのは、仕方がない事かもしれません

そして、それが親から子へ、さらに親から子へと受け継がれていた結果、
自分が子供の頃、貯金をすると褒められたのではないかと推測します

つまり、貯金=良い事ではなくて、良い面も、悪い面もあり、
その時の状況によって異なる為、状況をなるべく正確に把握し、
制度を上手く活用するというのが、賢明な考え方なのかなと思いました

2.スキルを持っている人が出世して、お金持ちになれる

会社員として働いていて、専門的スキルを持っている人が出生するのではないと知りました

人間と言う組織の中で、組織をまとめるのが上手い人だったり、単純に上司や人事と言った出世に関する裁量権のある人に気に入られるのが上手い人だったりと、

能力が高い人が出世する、という事は間違いないけれど、
その能力は、職業的な専門性とは違う能力であると気付かされました

また、会社員としての働き方を見ていると、出世自体が、そもそも本当に良い事なのかすら、疑問を感じました

社会人になるまで視野が狭く、
雇われ経営者や大企業の管理職がお金持ちになれる手段と思っていたのですが、
給与数値で比較すると、世界のお金持ちとは全く比べ物にならないと気付かされました

また、世界のお金持ちは、お金に関するスキルが非常に高く、
そういった面では、スキルを持っている人がお金持ちになれると言えるのかもしれません

いずれにしても、"出世してお金持ち"という学生時代に持っていた考え方は、見当違いだという事に気付かされました

3.投資の焦点は、お金と利益を得る事

社会人に2~3年目辺りから、周りの同級生たちが不労所得を得る為に、株に投資をするべきと、しきりに言い出すようになりました
ちょうどその頃、“両学長 リベラル大学”が流行っている頃で、そこで得た知識から投資について全てを知っているかの様に語っている同級生を何人か見かけました

確かに、生活の中の余裕資金を株式といった投資に回して、それがリターンとして返ってくることはあると思います
けれども、若いというだけで、失敗が許され、色々と親切に教えてもらえる時期に、様々な経験を沢山積むということも、
自分の将来への大事な投資であると思っています

同級生同士の話だけを聞いていると、投資=お金や株、儲ける為にする事といったイメージが先行していて、
投資とはお金に関する事と思ってしまっていた様に思います

でも、健康で長く暮らすことを重点に置けば、日頃から運動したり、
食生活に気を遣うことも、自分の将来の投資だと思います

また、利益を求める以外に、自分がお気に入りのブランドやクリエイター、お店、自分にとってより良い価値を提供してもらう為に、
商品を買ったり、寄付をしたり、足しげく通うこともまた、
応援や社会貢献を兼ねた投資の一種だと思います

推しのアイドルにお金を注ぎ込む行為も本質は同じなのかもしれません

投資と聞くと、株やお金と言う事が真っ先に浮かんでいたのですが、
色んな投資の方面があると知りました

4.お金を持っている事が社会的に成功者である

資本主義の社会を生きていると、周りからの影響や、
自分が経験した事がない状況に対して、イメージが先行し、
お金持ち=社会的成功者であるとどこか錯覚をしている様に感じます

でも、人間は生物の一種である事に立ち返ると、
生物としての成功は、より長生きをして生き延び、より多くの子孫を残して自分達の種を繁栄させることではないかと思います

自分にとっての成功とは何かをこれまで考えた事が無く、
親や周りが言う"成功"を盲目的に信じていた様に思います

男性であれば、良い大学に行って良い企業に言って、組織で出世をする
女性であれば、最近は少し変化が出て来ていますが、出世する夫を探して妻として支え、立派な子供を産み育てる
こういった"成功パッケージ"があったように思います

けれども、より長く生き、より良い子孫を繁栄させると言うところに焦点を当てると、
健康を維持し続けるということも一種の成功ではないかと思います

健康の為に、より品質の良い食材、寝具、住居環境、洋服が必要で、
それを得る為の手段として、お金は有効な手段になりえると考えます

つまり、お金が成功をたらしめるのではなく、
お金を使って得られるその先にある状況が、"成功"と言われる状態の1つになのではないかと思います

極論ですが、
知人に農業、漁業、畜産業に関わっている関係性があったり、
自分で生み出せるスキルがあれば、
お金なんか無くても、健康状態でいるという"成功"の状態は手に入れられます

そういった面でも、お金が目的ではなく、目的を達成する為の手段にすぎないということを忘れてはならないと思いました

でも、長らく手段であるはずのお金を、目的と履き違えていました
その要因として、
何が自分にとっての成功か(価値観)、
自分の強みは何か、強みを使ってどの様に生計を立てるか、
お金に関する最低限の知識そういった本来子供の時にやっておかなければいけなかった自分の軸が無く、ここまで来てしまったが原因と考えます

5.お金を沢山持っていると幸せになれる

私立の中高一貫校に通っていたのですが、
周りには父親が開業医、有名な企業の社長、プロスポーツ選手の娘など、
自分がこれまで出会った事ないお金持ちが周りにいました

中高校生が持つ物ではない高額な化粧品や財布、バック等を所有し、
新作が出た時は、前の物を捨てたり、同級生にあげては買い替えるという
扶養された学生としては、信じられないお金の使い方をしていました

また、母親と一緒にジャニーズのツアーを全国かけ巡ったり、
欲しいグッズを買い漁ったりと、
お金で全て叶えたい事を全て実現している様に、当時の自分には見えました

自分が持ってしまったブランド思考は、学歴と偏差値だけだった為、
ブランド物をいっぱい持っていたり、アイドルを追いかけたり、コレクションを好きなようにできる同級生を、羨ましいという嫉妬の感情を抜いて、
幸いにも観察対象として見ることができました

お金が有り余ってそうに見える同級生をよく観察していると、
お金を持っていたら、さぞかし何不自由せず、幸せなのだろうと思ったのですが、

お金に困っていないはずなのに、援助交際に走る同級生がいたり、

お金で欲しい物は親から何でも買ってもらえるのに、物ではなく、
自分を承認してくれる存在が欲しいのか、勉強そっちのけで、彼氏作りに奔走したり、

周りの男子校に彼女がいない男性は沢山いるにも関わらず、
他人の彼氏を奪い合っていたり、

リストカット等、自分を痛めつけて、他人の気を引こうとしたり、

経済的に豊かな環境にいるはずなのに、幸せそうに見えない同級生を見て来ました

お金さえあれば、幸せなのではなく、
お金だけでは、満たせない何かがあるのだと、感じました

また、自分自身に当てはめてみても、微々たる金額ですが、
朝の7時〜夜10時まで平日のほとんどの時間を仕事で持っていかれ、
土日も仕事が入ることがあったり、
自分の時間のほとんどを仕事に持っていかれ、
プライベートの時間が全く取れない時期がありました

仕事の時間が多い分、残業代や深夜手当、休日出勤手当が付き、普段よりも沢山のお給料は入りました

けれども、全く幸せに感じられず、
頑張った暁に、給料が沢山入っているとも、思えませんでした

多少金額が少なくても、自分の興味がある事、好きな事をしている時の方が、
圧倒的に幸福度は高かったです

お金が人を幸せにするのでは無く、心の充足感が人を幸せにするのでだと感じました

6.安い物を見つけてお買い物できる事は良い事

高額な物を買い、贅沢はせず、節約することは良い事だと思っていました
無駄遣いはダメと、幼い時から言われて来たからではないかと思います

でも、社会人として働き出し、金流や、モノの価値が分かってくると、
安い物には訳があり、タダほど安いものはないと気付きました

一見、見た目は一緒でも材料の品質が良かったりと、
よく見てみると金額には大半の場合、理由があると気付きました

仮に高品質の物が安価に売られている場合は、
労働者が奴隷の様な状態で働かされていたり、安く買い叩かれている事を知りました

また、高い出費でも、資産になるものがあったり、
正しくお買い物をすれば、
"高い物=贅沢品"という発想は、違う事に気付かされました

本当にお金をかけるべき必要な所へお金を使える様に、
無駄な出費を減らす事が大事であって、

何でもかんでも安い物を手に取るという節約は、
自分自身を蔑ろにしているだけで無く、

より良い物を作ろうとする人へ、正当な価格で対価が払われなくなり、
結果として、良い物を作れる人がいなくなってしまうという悪循環を生んでしまうことに気が付きました

7.自分の頑張りに対する給料を求める事は好ましくない

新入社員の頃、ありがたいお話や飲み会の場で、会社の役付の方々から、
社会人の心得として、"長い物に巻かれた方が良い"というアドバイスを何度か受けました

自分の成果を主張したり、それに見合う給料を求める自己主張は、
お金にガツガツしていて良い印象を与えないというよくわからない空気感を感じていました

会社員である以上、時間を売る為、
効率的に仕事をすればするほど、空いた時間で、さらに多くの仕事が降りかかってきます
早くできたから早く帰ることは許されず、仕事が遅い人の尻拭いをしなければなりません

その分を対価を貰ったり、成果を主張することが出来れば、
何も不満は感じませんが、

頑張っても、頑張らなくても、給料はさほど変わらないということを知りました

時間さえ積めば、手当てが付く給料形態であり、寧ろ仕事を早く終わらせて帰る方が、給料が高くなる事を知りました

初めは高い志を持っていても、頑張ることは損である事を知りました

目上の人の意見に対して、何か不可解な点を質問したり、指摘することは、
上の物に歯向かうという行為に取られかねず、
成果を主張することもこの行為の一種として見なされるおかしさを次第に感じるようになりました

長期的に働く事を考えると、
議論をするだけ無駄、ハイハイとやる気無く、話半分に聞いておく方が、
自分の体力/メンタル/立場を安定させる事ができると考えてしまう人がいる事も、頷けました

でも、成果に対し、正当な評価と対価をもらう事は、
自分自身の生活を安定させ、社会の為にそのサービス/仕事を継続出来るのだと思います

アップデートするお金に対する考え方

1.お金は、目標を達成し、望む人生を送るための道具に過ぎない

お金があれば幸せなのではなく、あくまで幸せの為の手段
お金を守る事に必死で、自分のやりたい事を見失う様な、手段と目的を履き違えない事

2.給料交渉は自分のスキルや経験に見合った正当な報酬を確保すること

貪欲なことではも、卑しいことでも無く、
自分のスキルを社会へ差し出す為に、生活に必要な金額を確保する当たり前の事

3.経済的責任を持つ事は、喜びや価値をもたらす物へお金という対価を支払える事

質素にすることでも、節約することでもなく、無駄遣いすることでも無く、
自分や誰かの為に喜びや価値を提供出来る能力を持つということ

4.経済的な安定/自由を目指すことは貪欲なことではなく、賢明なこと

お金を手に入れる事のメリットとして、選択肢と自由を手に入れられる
また、余裕ができて時間で自分の好きな事や勉強が出来る事は、社会貢献にも繋がる
長期的に見れば、ガツガツする人間から抜け出す事に繋がる

5.富は派手であったり仰々しくする必要はなく、賢く使う事

支出に気を配り、いくらお金があるからといって、無駄遣いは避ける事
経済的安定によって手に入れられる機会にも目を配る事

お金があれば、他の方法ではできないような機会を追求する自由が得ることができる
例えば、貯蓄があれば、自分のビジネスを始めたり、旅行や情熱的なプロジェクトのために休暇を取ることができる

経済的な安定があれば、リスクを取って新しいことに挑戦する心の余裕も生まれる

支払いの心配がなければ、新しいことに挑戦するチャンスも増える

愛する人と過ごす時間、健康に気を配る時間、ボランティアや地域社会に貢献する時間など、お金によって時間を買うこともできる
どれも充実した人生を送るために大切なこと

お金を追い求めることに溺れないことは大切だけれども、お金によって新たなチャンスや可能性が開けることを認識すること

金言

お金は目的を達成するための手段であり、それ自体が目的ではないこと、
そして、愛する人生を創造するためには、賢く計画的に使うことが重要であるという考えを強調した金言を自分用に貼り付けておきます

もし何か読者の皆さまのお薦めがあったり、解釈が違う等あれば、コメント下さい

a penny saved is a penny earned

(1ペニーの節約は1ペニーの稼ぎ)
- Benjamin Franklin(ベンジャミン・フランクリン)
   アメリカ$1札の描かれているアメリカの発展に大きく貢献した経済学者

→貯蓄や収入に焦点を当てる人が多いが、支出にもしっかり焦点を充てる事
→分散投資をする事
→まず自分自身に支払ってから、生活費、娯楽等へ回す事(先に貯蓄へ回す)
→近所の人たちに歩調を合わせない事(自分の資力を超えない)

(参考)FOX59

The best way to measure your investing success is not by whether you’re beating the market but by whether you’ve put in place a financial plan and a behavioral discipline that are likely to get you where you want to go.

(投資の成功を測る最良の方法は、市場に勝っているかどうかではなく、行きたいところに行けるようなファイナンシャル・プランと行動規律を整えたかどうかである)
- Benjamin Graham(ベンジャミン・グレアム)

Money is a terrible master but an excellent servant.

(お金はひどい主人だが、優れた召使いである)
- P.T. Barnum(P.T.バーナム)

Wealth is the ability to fully experience life.

(富とは、人生を完全に経験する能力である)
- Henry David Thoreau(ヘンリー・デイヴィッド・ソロー)

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