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気まぐれなアメリカのデザイントレンド解説:美大ならではの「つくる」あれこれ
正直トレンドでも何でもないけれども、せっかくなので今週は美大らしい話を。最近、実際に「モノを手で作る」経験が増えてきた。
さすが美大というか、パーソンズには色々な「モノを作る」ための装置や”lab”と呼ばれる専門の工房が散らばっている。それらはまとめて"Making Center"と呼ばれている。
https://www.newschool.edu/parsons/making-center/
もともと美術には私は苦手意識があり、なるべくそういった工房には近づかないようにしていたのだけれども、ある日プログラミングの授業で、「ただパソコンの前に座っているだけでなくて、実際に作る経験も大事」という先生から、校内でレーザーカッティングの講習を課題として受けてくるように言われた。
※レーザーカッティングとは
レーザーを使って切断する特殊技法。木やプラスチックなどにデザインを印刷したり、切ったりするときに使われる
そして同じ時期に、別の授業でリソグラフ印刷という、画像をレイヤーのように重ねる技術を使ったモノを作る必要も出てきた。
※リソグラフ印刷とは
シルクスクリーン印刷やガリ版と同じ「孔版印刷」の原理を元にしたデジタル孔版印刷。インクの乗った感じが版画で刷ったような雰囲気の作品を作ることができる。
また、以前ビニールカッティングの講習も受けていてそれも楽しかった。
※ビニールカッティングとは
シール状になっている特殊なプラスチックのシートをプリンターで切る方法。好きな形のステッカーを作ることができる。
これらの工房は事前にオンラインで講習を受けてから、対面のオリエンテーションを経て、ようやく使用許可が降りるようになる。
もともと装置を使うのがそもそも怖くて、5秒ごとに工房で働いていスタッフの人を呼んでは助けてもらっていたのだけれども、いざ作ってみると、すごく面白い。
木の上にこんな印刷ができるなんて。
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違う色を重ねるとこんな色になるなんて。
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オリジナルのステッカーが作れるなんて。
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毎度発見があって、すごく面白い。
今パーソンズの授業を受けていて、卒業が見えてきている中で唯一学生としての時間がもっとあったらやりたかったことの一つが、「美大らしくモノを作れるようになること。うまく装置を使って、パソコン以外で手でモノを作る体験をすること」だった。他にもレタープレスといって紙にエンボス加工をする機械だったり、布や金属に印刷できる工房もあるみたいなので、授業で取れなくても合間を縫って体験してみたいなと思った。
おまけ:
レーザーカッティングは人生で初めてだったので当然最初からうまくいくはずがなく、サンプルの大部分が燃えるプチ事件がありました。笑まあこれも学びの過程の中だと信じて。笑
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