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#SAW質問箱総集編 番外編
これは信頼できるプロの松井さん @mAtsuiGfighter に回答をお願いしたところ、素晴らしい文章を寄せていただきました...。感動したよ、原文ママお届けします
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SAWさんのようなエンジニアになりたいという質問に松井がお答えします。よろしくお願いします。 エンジニアを目指すならやはり東京のスタジオにアシスタントとして入るのが1番のルートと思います。まず経験できる仕事の質が違いますからね。
しかし察するに20代中盤以降の方ですよね?その年齢から専門学校に入り直しても残念ながら取ってくれるところはほとんど無いかと思います。 これは僕自身がそうでしたから。
そうなると自力で顧客を掴んでやってくしかありません。早くからエンジニアを志した人達と勝負していくにはやはり音楽をよく理解しているかどうかが鍵になるのではないかと思います。(別のベクトルで成功する人もいますが)
幸い質問者さんは作曲家との事ですのでおそらく楽器もできるのでしょう?であれば作曲だけで無くステージに上がって他の楽器のミュージシャンとプレイする経験を積み、好きな音楽も好きじゃない音楽も聴いてプレイして音楽家としての力を養いましょう。
プレイヤーがどんな瞬間に音楽をやる喜びを感じるのか、お客さんの体や心がどんな時に動くのか。指揮者がどんな環境で音を聴いて何を求めてそのリクエストをしたのか。また楽器そのものへの理解を深める事も役に立つでしょう。
僕もSAWさんもミュージシャンとしての裏付けがあった上でエンジニアという仕事に取り組んでいるという共通点があります。 僕も実はメジャーのレコード会社からCDを何枚か流通させるくらいまではやってるんですよ笑。
プロツールスのオペレーションは在京のアシスタントさんのようには速くないし大手スタジオだけで伝承される事で知らない事もあるでしょう。 しかし東京からもそのほかの地方からも僕らの音を頼って来てくれる、データを預けてくれるクライアントさんがいます。それはやはり我々がそれぞれに活動したシーンを中心とした音楽経験を積んで自分のシグネイチャーサウンドと言えるものを多少なりとも持っているからだと思います。
ミックスやマスタリングの知識や技術を持っていてもどうにも心にも体にも響かない音になってしまう人がいますが、結局「音楽知ってますか?」というところに落ち着くのではないかなと。質問者さんもせっかく作曲を学んだのですからそれを活かして豊かな音楽経験を積んで他とはひと味違うと言われる音を出せるようになる事を選択に入れてみてください。
あとは少しの営業力ですね。いくら出音が良くても仕事をとってこれない人は職業として成立させられませんから笑。
あくまでミュージシャンエンジニアとしてのアドバイスです。できれば他のルートからエンジニアになった人にも話を聞いてみてください。 良い結果になって将来一緒に勉強したり仕事できると良いですね。
*過去に質問箱で回答したものの中から、反響が多かったものを中心に再編集・追記して投稿しています