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探偵カウンセラーのリアルな日常 ~浮気調査の現場から~
どうもこんにちは! アラフィフ派遣社員のぴっぴです。
わたくし、探偵会社勤務の経験があります。当時の記憶を、物語調にまとめてみました。シチュエーションは若干変えてますが、ほぼノンフィクションになります。
それではさっそく、はじまりはじまり~🎵
探偵カウンセラーのリアルな日常 ~浮気調査の現場から~
私はぴっぴ。探偵会社に勤務している。
職種は「カウンセラー」。どんな仕事なのか、ざっくり説明するとこうだ。
📞 夫(妻)が浮気しているのではないか? という相談の電話が入る。
🚗 相談者の自宅近くへ向かう。
📝 相談を受け、派遣する探偵(調査員)の人数・時間数を見積もり、契約を結ぶ。
この流れを一日に何件もこなすのが、私の日常。
その日、1件目の相談を終えた私は繁華街のカフェで休憩中だった。
かなりヘビーな相談内容だっただけに、気持ちの切り替えは必須である。
「ぴっぴさん、次、15時に◯◯駅近くのファミレスです」
受電担当のスタッフから電話が入る。
「◯◯駅か。結構遠いなぁ。ここからだと2時間くらいかな」
「そうですね。直帰でいいですよ」
「直帰でも家に着くの19時過ぎだよ」
電話を切ると、スマホの乗換案内アプリを起動する。
東武◯◯線。今回の相談者の最寄駅はこの路線の終点近くにある。
首都圏の路線図と所要時間はだいたい頭に入っているが、郊外を走るこの路線はどうだろうか。
表示された所要時間は1時間45分。やっぱり。だいたい合ってた。
私が勤務する探偵会社は大手と違い「事務所に来てもらって相談を受ける」スタイルではない。
連絡を受けたら相談者の自宅近くに急行することをウリにしているのだ。
探偵会社の多くは、都心のターミナル駅近くに位置している。うちの事務所を探し当てて電話をかけてくるのは、都心に出てくるのが大変な、郊外に住む人たちだ。
結果、私たちカウンセラーの行動範囲は広くなる。
待ち合わせ場所のファミレスには相談者(鈴木さん(仮名))よりも先についた。店内にキョロキョロと目をやりながら入ってきた女性。確認しなくてもわかる。きっとあの人だ。
「こっちこっち!👋」
わざと、友人を装った軽い感じで声をかけた。
私の服装は普段着である。こんな地元のファミレスで「スーツを着た女性と会っていた」となれば、近所の人に何を言われるかわからないから。
「探偵」と直結することは無いかもしれないが、面倒なことは避けるに越したことがない。
鈴木さんは40代半ば。疲れた髪の毛と表情。セーターには毛玉がたくさんついている。
当然だが相談者にもいろんな人がいて、全員が疲れ切った主婦ではない。
メイクもファッションもバッチリ決め込んで、香水の匂いをプンプンさせた女性だっている。そういう人は、自分も浮気をしていることが多いわけだが…。ちなみに、意外かもしれないが男性の相談者もけっこういる。私の感覚では女性7:男性3くらいか。
今回の相談者は、憔悴しきっていることが伺える。浮気の可能性はなさそうだ。
「相手が誰なのかは、わかっているんです」
彼女は小声でそう切り出した。
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