
わがごと
自分の価値がよくわからない。給料を幾ら欲しいですか?と聞かれて、ずっとバイトして学費稼ぎ学位を取った日々の貧乏性が身についていて、口ごもってしまう。公務をしていたときに、同じ年齢の正職の公務員がどれだけ貰っているのか全く想像もしていなかったし、気にするだけ馬鹿らしく感じたので、「責任」の価格なんだろうさ。いざとなったら、切腹覚悟なんだろうから、と温かく見守っていたのだけど。

住民主体で活動をしなければならない。と呼びかけても、そこは後期高齢者だけの町内会だったりする。ここに市役所職員がひとり暮らせば、さぞかし面白いと思う。わざわざ地域おこし協力隊を呼び込まなくて良くて、灯台守のように職員が暮らし始めたら、市役所の議論も変わるかもしれない。住民に「自分の街のことわがごとに」と訴える言葉も、意味が変わってくる。
しかし、変わる事はないだろうな。「わがごと」という言葉の目的は「苦肉の策、苦しまぎれに考え出した手立て」だから。万策尽きる時に使う言葉。役職関係なく、一住民がやれることは限りがある。市民組織や市議会議員、市長、市役所が機能している中で、漠然と、わがごとにして住民が自ら対応しましょうというのは、残酷だと思う。