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さぬきのめざめのフライ
暖簾をくぐると、大将の元気な声が迎えてくれた。まだまだ寒い高松の夜は、こうでなくてはならない。
座敷に座り、とりあえずビールを頼む。冷えた一口が喉を滑り落ちると、ようやく一日が終わった気がした。
「今日はさぬきのめざめのフライがあるよ」――店主の声に、迷わず頷く。ほどなくして、香川名物のロングで太いアスパラガスのフライが目の前に置かれた。
適当に切り箸でつまむと、衣の下から鮮やかな緑が覗く。ひと口頬張れば、サクッとした衣の奥から、甘くてジューシーな旨みが広がり、思わず唸る。
塩を少しつけて、もう一口。噛むほどに広がる滋味深い味わいに、思わずビールを煽る。高松の夜は、まだまだこれからだ。
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