既存不適格物件と違法物件の違い



既存不適格物件
違法物件は、不動産において重要な区別が必要な概念です。それぞれの特徴と違いを以下で詳しく説明します。

1. 既存不適格物件

定義

既存不適格物件とは、建築当時は適法であった建物が、その後の法改正や条例の変更によって、現在の基準を満たさなくなった物件を指します。

特徴
合法性: 建築当時は法令を遵守して建てられているため、違法ではありません。
継続利用が可能: 既存の状態で使用し続けることが認められています。
増改築に制限: 増築や改築を行う場合は、現在の法令に適合させる必要があります。

具体例
• 建築時は容積率が300%だったが、現在の基準が200%に変更されたため、容積率オーバーとなった建物。
• 道路斜線制限が改正され、現在では高さ制限を超えている建物。

法的根拠
建築基準法第3条2項に基づき、既存不適格物件として扱われる場合があります。

2. 違法物件

定義

違法物件とは、建築当初から法令や条例を遵守していない建物を指します。

特徴
違法性: 建築当初から法律違反であるため、法的に問題があります。
是正の必要性: 違法状態を解消するための措置(撤去、改修など)が求められる場合があります。
利用制限: 使用許可が下りない場合や、金融機関の融資が難しい場合があります。

具体例
• 建築基準法に違反して建てられた無許可建築物。
• 接道義務を満たしていない建物。
• 耐震基準を満たさない構造で建てられた建物。

法的影響
• 違法建築物には、行政から是正命令が下されることがあります。

3. 違いのまとめ

特徴 既存不適格物件 違法物件
建築時の適法性 適法で建築された 建築当初から違法
現在の適法性 現行法には適合していないが、特例で利用可能 違法状態が継続
利用の制限 増改築や用途変更を伴わない場合は使用可能 使用制限、是正命令、撤去命令の対象になる場合あり
法的根拠 建築基準法第3条2項 建築基準法違反
事例 容積率オーバー、道路斜線制限改正後の高さ超過物件 無許可建築物、接道義務違反物件

4. 既存不適格物件の活用方法
売却時の注意:
• 既存不適格であることを明記し、買主に十分な説明を行う必要があります。
• 不動産評価額が下がる可能性がありますが、特定のニーズを持つ買主には魅力的に映る場合もあります。
改築・再建築:
• 改築時には現行法に適合させるための費用が発生します。
• 場合によっては、再建築不可物件として扱われることもあります。

5. 違法物件の対策
是正措置:
• 違法部分を改修し、法令に適合させる必要があります。逮捕されるような事はありません。
• 必要に応じて専門家(建築士、不動産会社)に相談することが重要です。
売却時のリスク:
• 違法状態を解消しないまま売却すると、買主から責任を追及される可能性があります。
• 違法物件であることを買主に正直に伝え、売却契約を結ぶ必要があります。

6. 注意点と専門家への相談
確認事項:
• 物件が既存不適格なのか違法物件なのかを明確にするため、建築確認申請書や図面、役所の記録を確認します。
• 特に違法物件の場合、解決のための対応策を検討する必要があります。
専門家への依頼:
• 不動産会社、弁護士、建築士などの専門家に相談することで、適切な対応策を見つけることが可能です。

まとめ
既存不適格物件と違法物件は、不動産取引や活用において大きな違いがあります。違法物件を保有する事で刑事罰に貸されたり逮捕、起訴された話はききませをが特定行政庁による指導、是正は十分考えられます。既存不適格物件は法改正によって生じるため合法ですが、違法物件は建築当初から法令違反であり、取り扱いにリスクを伴います。いずれの場合も、正確な状況把握と専門家のアドバイスを受けることが重要です。

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