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中学の顧問へ。

この前のノートで当たり前のように
"だから自分も頑張りたい。"
"誰かが見てくれていると信じて。"
と書いたけど今思えばそう思うきっかけを作ってくれたのは中学の頃の先生だなと思った。

中学の部活の顧問。
馬鹿みたいに嫌いだった。
偉そうだし厳しいし、本当に休みなんかくれなかったし。
上から目線というか、見下してる感満載でなんだこいつってずっと思ってた。

学校の先生って基本嫌い。
もちろん好きな先生もいるけど。
みんな考え方偏っててそれが正解だと言うように偉そうに説教垂れるから無理。

こいつも無理だなーとか思いながら中2の冬。
寒いからとか意味わからない理由で朝7時くらいからテニスコート2面の周りを1分間本気ダッシュさせられた。
次の順番の人の1分間だけ休憩できてそれが終わったらまた走る。
いつまで続くかわからない永遠ダッシュ。
顧問は審判台から足組んでその様子を見てるからもちろん手抜きなんか出来ない。
走ることがそもそも苦手なのに真冬に半袖半ズボンで走らされて地獄だった。

いつ終わる?なんて考えたらアウト。
無我夢中で走るしかなかった。

そんな中で顧問が叫んだ。
"おい角ショートカットするために入るなよ。○○だけはずっと入ってないぞ。"
みんな少しでも走る距離を減らすためにテニスコートの端に足を踏み入れてた。
もちろん私も気づいてた。
でもなんとなく入るのが悔しくて入らなかった。

ちゃんと見てくれてた。
それが嬉しくてたまらなかった。

流れて引退前。
私はとっくのとうに負けた。
でもチームメイトが強くてまだ試合が残ってたから自分だけ引退する訳にもいかず部活を続けてた。
本当なら遊べてた。
受験勉強を始められてた。
試合に勝つとか目標もない結果も出ない努力はつまらなかった。

そう思ってたのがバレてたのかも。
私と他にも同じ状況の子と2人で呼び出された。
怠けてるって怒られんのかなーとか考えながらビクビクしてた。

"お前たちほんと偉いよ"

今でも覚えてる。
初めて直接的な言葉で褒められた。

"あっつい中文句も言わずあいつらと同じ練習メニューこなしてよく頑張ってると思うよ"
"あいつらはお前たちが残ってるのが当たり前だと思ってるけど他のやつならさっさと引退してると俺は思うけどね"
"ほんとなら遊びたいだろ"

ははって笑いながら言ってた。

"○○もすごい上手くなったと思うよ"
"だって最初入ってきた時なんかこいつほんとに走れんのかよって思ったもんね"
"いやー考えらんないな、今じゃ○○と張り合えるもんな。上手くなったよ"

もう結構経つしぼやーっとしか覚えてないから覚えてる言葉だけ今書いたけどこんなこと言われた。

余計な一言がほんと多いなと思いながら泣いてた。
見てくれてた。
この人はちゃんと見てくれる。
だから嫌いだけど好きだった。

この先生がいたから今当たり前のように"誰かが見てくれてると信じてる"なんて言葉が吐けるんだろうなって久しぶりに見かけたから思い出した。

ありがとうございましたってもう一回言いたい。
先生のおかげで今ちょっとつらいことがあってもあの時頑張れたんだからいけるかって思えてるって。

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