狼女はレズビアン 憑霊現象
狼女はレズビアン
憑物という現象がある。人類学では古くから研究されてきたテ-マです。
この憑霊は、霊的にものを考える傾向のある人にはいわゆる「狐」や「狸」の霊がとり憑いたものとしかみえない。
顔つきもその表情、行動から仕草までその動物そっくりになってくる。
アメリカやヨーロッパでは狼症例が有名ですね。
満月の夜になると狼に変身するという狼男の話は誰でも知っていると思います。
狼男というのは聞くが、狼女というのは聞かない。
映画でもなぜか狼になるのはほとんど男です。
しかし、実は狼伝説は女性にもあります。
アメリカの精神分析学会報に報告されたものとしては、49歳になる女性の話があるのです。
この人は満月の夜になると、狼となった。
自分は狼以外の何物でもないと信じてしまう。
いや、というより、満月の夜、この人はまぎれもなく狼になっているのである。
性的異常をきたし、レズビアンに走る。動物とのセックスをする。狼そっくりの行動をとる。
満月の夜になると変身を遂げるので月の影響という見方もあります。
バイオタイド、つまり生命の潮汐現象の面から探求されてもいます。
自然界も塩の満ち干きなど、引力の影響は大きく受けています。
人も例外ではない。
満月の夜には異常な事件が多いとの研究もあります。
人はいかなる人であっても、人体がその90%程度を水分によっている限り、引力の影響は受ける。月経などはそのいい例となります。
しかし、この狼伝説は日本や東洋にはありません。
東洋にいる欧米人の症例はあるかもしれない。
これはある大事なことを物語っています。
狐憑き、狸憑き
日本には古くから狐憑き、狸憑きといった憑霊現象が報告されています。
実際にこうした「狐」や「狸」にとり憑かれた人は、なにからなにまで「狐」「狸」になってしまう。
顔形までそっくりになってきたりします。
本当に「狐」や「狸」の霊がとり憑いていると考えてもおかしくはないと考えたりします。
しかし、こうした憑霊現象は、そのほとんどが心的異常によることが解っています。
心の深層に入り込んだ潜在的畏怖ともいうべき優格観念がもたらすものもその原因の一つされます。
狐に取り憑かれたという観念にその人が取りつかれてしまった場合、その観念は彼の人格を超えて異常な影響を及ぼすようになるという。
催眠実験などでよく引合いにだされるのは、噛まれてもいないのに、犬に噛まれたと思い込ませると、犬の歯形が皮膚に出現するというものです。
精神が物理的な影響を及ぼしているわけです。
実際には物理的影響のないことが出現するのですが、これは人の意識、精神といったものの奥の深さをよく物語っています。
伝説と潜在的受容が
奇跡や異常をもたらす
このような憑霊現象は特徴的な分布をみせています。
アジアには、例えばマレ-シアなどには虎憑きというものがあります。
文字通り虎になってしまうわけでですが、この虎憑きは、わが国や欧米にはありません。
日本の狐憑き、狸憑きと同じものです。
狼狂ともその性質は同じです。
このような憑物は、ほとんどが「伝説」「言い伝え」と密接な関連があります。
伝説のない地方には、このような憑物はまったくといっていいほどないのです。
あっても追跡調査をすると、その「憑物」になった人物の出身地が、そうした伝説のある地方だったりします。
また、ある種の新興宗教などの中には、こうした憑霊現象が頻繁に現われているというのですが、それはほとんどが暗示的、催眠的効果によるものです。
これは特別な力がなくても、ある信仰の中においては、かなり強烈な影響を信者にもたらすとされます。
こういう集まりの中では、信者は常にある傾向の刺激に包み込まれているといってもいいわけです。
純粋な人々が多いこうした信者間にあって、この暗示は強大な力を持つにいたることが知られています。
ある種の信仰は、その信仰にたいして受容力が無警戒なほど開いてしまうはずです。
ましてカリスマ性のある教祖をその人の深層心理が受け入れてしまうと、無制限にそれを受容する傾向が生じます。
そこには正邪の判断は無関係なものとなります。教祖が全てになってしまうのです。
また、こうした暗示的効果に入りやすい人は、おおむね純粋な心を持っていて、知性的にも優れた人も多いともいわれます。
実際、憑霊というのはそんなに頻繁におこることではないし、真性の憑霊現象というケ-スは、ほとんどない。
こうしてみるとマインドコントロールというものの真の恐ろしさがよくわかりますね。