
もうダメかも…ってときに見えてくる、自分の“好き”
追い詰められるって、実は自分を見つけるために大事な時間なんじゃないかと思うんだよね。俺も昔は人の顔色ばかりうかがって、「どうすれば褒められるか」「どうすれば怒られないか」って、そればっかり考えてた。
その結果、自分の意見なんてほとんどなくて、周りの期待に合わせてばかり。好きなことややりたいことも、「みんなが良いって言うなら、まぁそれでいいか」って感じで流される。そうすると、だんだん「俺って何もないな」って思えてくるんだよね。周りには「これが好き」「これがやりたい!」って堂々と言えるやつもいる。そういうのを見ると、余計に自分が空っぽに感じてしまう。
でも、そんな俺でも「これ、好きだな」って思えるものが見つかった。それが『ガマくんとカエルくん』シリーズ。
子供の頃からなんとなく惹かれてたんだけど、当時は「ちょっと怖いけど、でも可愛い」くらいの感覚だった。でも、大人になって読み返してみたら、これが全然違って見える。言葉の端々から伝わる優しさや、静かに流れる空気感が、妙に心に響くんだよね。
ただ、不思議なのは、その優しさが逆に不安になることもある。「こんなに穏やかで優しい世界があるのに、自分は大丈夫なのか?」みたいな気持ちになる。追い詰められて、「俺には何もない」って思ってたときにこの本を読んで、なんとなく救われた気がしたんだよね。
結局、追い詰められたときこそ、自分の“好き”が見えてくるのかもしれない。しかも、その“好き”って、歳を重ねるごとに新しい意味を持ってくる。だから、悪いことばかりじゃないんだよな。自分の“好き”を大事にしていけば、それが自分を支えてくれるんだ。