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数万年の時間が崩壊するペリト・モレノ氷河①

地球という惑星を知りたいなら、南米大陸に行けばいい、と誰かが言った。地球上のあらゆる気候帯や地形が巨大パズルのように入り組み、人類の歴史上の営みがそこかしこに刻印されている場所だから。

例えば、

  • 「世界で最も大きい流域面積」を誇るアマゾン川の河口に広がる三角州、マラジョ島は、九州より広い。九州が川に浮かぶ光景を日本人はイメージできるのか?

  • アマゾン川流域に広がる熱帯雨林(ジャングル)や湿原(パンタナール)、ギアナ高地には、数百万種の動植物がひしめき、まだ人類が認知できていない種は想像もつかない数らしい。

  • 富士山の倍くらいの高さの山々が、約7500㎞(日本列島の2倍)連なるアンデス山脈には、「世界で最も平らな場所」ウユニ塩原や、平均標高4000mの高原(アンデス高原=アルティプラーノ)が数百㎞にわたって広がる。

  • 太平洋沿岸の「世界で最も乾燥した場所」アタカマ砂漠は、場所によっては数百年間、一度も雨が降っていない! 天体観測には最高の場所であり、世界最大級の望遠鏡が設置されている。

  • アフリカ大陸を人類が出発して世界中に拡散していった「グレートジャーニー」の終着点であり、幾多の古代文明が花開いた。ナスカの地上絵やマチュ・ピチュなどの遺跡が無数に存在する。

  • 大航海時代から現代まで、植民地支配、戦争、パンデミック、鉱山資源の奪い合い、宗教対立、冷戦、麻薬、テロなど、人間の業が濃縮されている。

箇条書きしているだけで、頭がくらくらしてくる。

そんな南米大陸のほんの一部を垣間見た者として、一か所だけ「この世に生まれたからには見てほしい場所」を決めるとするなら、迷わずアルゼンチンの「ペリト・モレノ氷河」を僕は選ぶ。


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