見出し画像

マチュ・ピチュ住民の声を聴け①

1998年、南米に魅入られた人間が当然行くべき場所に、僕はいた。
マチュ・ピチュ。言うまでもないが、キング・オブ・世界遺産。

少年時代からあこがれたその遺跡に足を踏み入れた第一印象は
 「この街、住みやすそう…」だった。
初めて降りた駅前でアパートを探す学生のように遺跡中を歩き回った後、
次第に「何なんだ、この街の正体って…」と感動よりも不気味さを感じ始めた。

自分で書いていて、よく分からないので、30年ぶりに分析してみる。

まず、マチュ・ピチュは、世界遺産のキングになるべくしてなったというか、人を惹きつける全ての要素を備えていると思う。

(1)簡単には行けない秘境感。
(2)だれが何のために作ったのかという考古学の根本が未解明。
(3)美しすぎるデザイン。自然と人工物の奇跡のバランス。
(4)1900年ごろまで、ほとんど人目に触れることなく、アンデス山中で眠り続けていたというミステリアスさ。
(5)口に出して言いたくなる、その語感の良さ。

これだけ有名で、研究しつくされているのに謎だらけ。
第一の疑問、だれが何のために作ったのか? 異論百出。
ジブリ映画『天空の城 ラピュタ』のモデルとされたのも納得。

限られた神官や巫女だけが入れる宗教都市だ、いやインカ帝国が異民族を支配するための最前線軍事都市だ、そうじゃない、アンデスとアマゾンの境界線に作られた経済都市だ、分かってないな、皇帝や貴族のためのリゾート都市だ、などなど。

続く…



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?