秋の農作業におすすめ!もみ殻燻炭づくり その1

秋の実りの季節、稲刈りを終えた田んぼの近くを歩いていると、大量のもみ殻が目に入ることがあります。この時期、米農家さんからもみ殻を分けていただける機会が増えるのは、農業に携わる私たちにとってありがたいことです。もみ殻はそのままでも農業資材として活躍しますが、少し手間をかけて「燻炭」に加工すると、さらに便利で多用途に使えるようになります。また実はこの時期カントリーエレベーターやライスセンターなどに行くとまだ新しいもみ殻を格安で購入することも可能です。ぜひこの時期を逃さずしたいものですね。今回は、私自身が実践しているもみ殻燻炭づくりについて、その魅力や方法、安全に作業を進めるためのポイントをご紹介します。


もみ殻燻炭とは?

もみ殻燻炭とは、もみ殻を炭化させたもので、農業資材として多くの利点があります。主な用途としては以下のようなものがあります。

  1. 土壌改良
    燻炭を土に混ぜると、通気性や保水性が向上します。特に、水はけの悪い粘土質の土壌に混ぜると、その効果を実感できます。

  2. 酸性土壌の中和
    燻炭は弱アルカリ性の性質を持つため、酸性に傾いた土壌を中和する働きがあります。これにより、作物がより健やかに育つ環境を作り出せます。

  3. 消臭効果
    燻炭には高い消臭効果があります。家庭菜園のコンポストや家畜の糞尿処理に混ぜると、嫌な臭いを軽減できます。

  4. 防虫効果
    燻炭を堆肥や畝の表面に混ぜることで、害虫を寄せ付けにくくする効果も期待できます。


もみ殻の入手と利用

秋はもみ殻を手に入れる絶好のチャンスです。地元の米農家さんに相談すると、稲刈り後に不要となったもみ殻を譲っていただけることがよくあります。基本的に家でもみすりされるところは少なくなりましたが、その分たくさんの家の分をされることも増えました。そういう家では処分もかねてありがたいことに、大量にもみ殻を分けてくださることも少なくありません。もみ殻はそのままでも、畑に敷いたり、堆肥の材料にしたりと便利に使えます。しかし、一手間かけて燻炭にすると、その利用価値が格段に上がります。


燻炭づくりのタイミングと安全性

燻炭づくりは火を扱う作業のため、天候や周囲の状況に注意が必要です。この時期は雨が多くなってきますが、雨上がりの日は燻炭づくりに適したタイミングといえます。地面が湿っているため、火が広がる危険性が低く、安全に作業を進めやすいのです。

また、風の強い日は避けるべきです。風があると火の粉が飛び散り、周囲の植物や建物に被害を及ぼす可能性があります。晴れていても風が穏やかな日を選ぶのがベストです。


ドラム缶を活用した安全な燻炭づくり

我が家では、ドラム缶を使って燻炭を作っています。この方法は火を閉じ込める形になるため、安全性が高く、効率的です。以下に手順を簡単にまとめます。

  1. ドラム缶の準備
    使用するドラム缶は、ふたの部分だけ取ります。最初はこの形でするのが燻炭にしやすいのでおススメですが、慣れてきたら空気を取り込むための穴を数か所開けて燻炭をさらにスピードアップするように工夫しましょう。ただしあまり空気が入りすぎると燻炭ではなく灰になってしまうので注意しましょう。

  2. もみ殻を詰める
    少し火を起こして燻炭機をかぶせたら、ドラム缶に乾燥したもみ殻を詰め込みます。詰めすぎると空気が通りにくくなるため、適度な量に留めます。

  3. なるべく触らない
    ドラム缶の底部から火が入ってくるので燃えるのが見えません。最初は勢いよく白い煙が上がるのですが、しばらくするともみ殻が炭化し始め、透明な煙が立ち上ります。

  4. 火の管理
    火が強くなりすぎないよう、空気穴を調整したりしながら火を管理します。この作業が安全に燻炭を作る鍵です。

  5. 完成までの時間
    燻炭が完成するまでには約8時間かかります。火を完全に消した後、十分に冷ましてから取り出します。


ステンレス製燻炭機の活用

最近、我が家ではステンレス製の燻炭機を購入しました。これが非常に便利で、ドラム缶よりもさらに効率的に燻炭を作ることができます。ステンレス製の機器は錆びにくく、長く使えるのが魅力です。また、熱伝導が均一で、火の管理がしやすい点も優れています。

燻炭機の導入には初期投資が必要ですが、作業の手間が軽減されるため、長期的に見ると十分に価値があります。なかなかこのご時世火を使う作業はしにくいのですが、ぜひやってみてください。


う。

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