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キャピタリストという仕事①

キャピタリストという仕事は極めて地道で泥臭い仕事である。これは、正直私がベンチャーキャピタルに転職するまでは知らなかった。知らなかったというより、聞いてはいたが信じていなかった。
仕事は楽しく、新しい価値をイケてる人たちと創造し、成功したら金銭的な実入りも大きい。そう思っていた。
前述を否定するつもりはないが、それを打ち消し忘れてしまうほど地道さ、泥臭さが上回る。

キャピタリストの仕事は多岐にわたるが、大きく分けると以下になるのではないか。

  1. ネットワーキング ← この記事ではまずこれについてぼそぼそ語る

  2. 情報収集

  3. ソーシング(投資先探し)

  4. 投資検討(デューデリジェンス)

1のネットワーキングは、他のキャピタリストや起業家、事業会社の方々などと知り合い関係性を深める仕事を意味する。その方法はランチや飲み会(飲み会が圧倒的に多い)、イベントなどに出向いて積極的に話し仲良くなる。これも極めて地道な活動だ。

しかも、元々人付き合い、特に初対面の方と話すのが苦手な人、今まで飲み会は仲いい友達としか飲んでこなかった人、ゲラゲラ笑って楽しさを追求した飲み会しかしてこなかった人はとても苦しむ。
キャピタリストの飲み会は正直仕事だ。楽しい雰囲気を保ちながら有用な情報を得る、逆に発信するのは極めて難しいし、高いスキルが求められる。

ここで求められるのはコミュニケーションスキルとは別のスキルだ。むしろコミュニケーションスキルが高い人の方が苦しむ気もする。だって普通に考えたら飲み会でまじめな話をする奴、有益な”情報”を得ようとしている奴、嫌じゃないか。ただ、キャピタリストの飲み会はそれが目的。それが求められている。

コミュニケーションスキルが下手に高い人ほど、これを自然にやることが不得意だと思うし、無理にやろうとすると心理的ストッパーがかかり(飲み会でこんな話盛り下がるよな?という考えがよぎる)上手くしゃべれなくなる。私がそうだった。

よくキャピタリストがXなどのSNSに、「○○と飲みました!」「昨日は○○のイベントに参加しました!」というコメントと共に楽しそうな写真をあげているのを見る。ただ、その飲み会やイベントは絶対に楽しいだけでは終わっていない。その場ではキャピタリストが頭を働かせ、いかにその飲み会を自分にとって、相手にとって有用な時間にするかを考えながら立ち回っている。仕事だ。

ネットワーキングは、本当に地道で泥臭い仕事。これは新人でも中堅でもベテランでも変わらない。

この記事はここまでにして、次の記事では2の情報収集の地道さ、泥臭さについて書こうと思う。

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