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航空機リースについて

航空機リースとは、航空会社や運航者が航空機をリース会社や所有者から購入せずに借り受ける金融契約のことです。リースにより、航空会社は初期費用を抑えつつ、運航の柔軟性を確保し、資本投資を大幅に減らして機材を拡張または更新することが可能になります。

航空機リースの種類
航空機リースは主に2つの主要なタイプに分類され、それぞれ契約の内容によってさらに細分化されます。

1. オペレーティングリース
定義:リース会社(貸主)が航空機の所有権を保持し、航空会社(借主)が特定期間だけ使用料を支払う形式のリース。通常、航空機の耐用年数より短い期間で契約されます。

主な特徴:
• 短期から中期のリース契約(3~8年)。
• リース終了時に航空機は貸主に返却される。
• 航空会社に所有権は移転しない。
• メンテナンスの責任は契約内容により異なる。
• メリット:
• 初期費用が低い。
• フリート(保有機材)の柔軟な調整が可能。
• オフバランスシートファイナンス(負債として計上されない)。
• 例:短期的な需要増加に対応するためのリース。

2. ファイナンスリース(キャピタルリース)
• 定義:借主が航空機を耐用年数の大部分にわたって使用し、リース終了時に購入オプションが付く長期リース。
• 主な特徴:
• 長期契約(10~15年)。
• 航空機は借主のバランスシート上で資産として扱われる。
• 借主が所有権に伴うリスクと利益の大部分を引き受ける。
• メリット:
• 完全購入せずに所有に近い利益を得られる。
• 長期間にわたるフリートの安定性を求める航空会社に適している。
• 例:長期間使用する予定の航空機。

その他のリース形態:
1. ウェットリース:
• 貸主が航空機、乗員、メンテナンス、保険(ACMIモデル)を提供。
• 借主は燃料や地上業務費用を負担。
• 季節的需要や運航のトラブル対応に使用される。
2. ドライリース:
• 航空機のみをリース。乗員、メンテナンス、保険は借主が手配。
• 長期的な契約に多く使用される。
3. ダンプリース:
• ウェットリースとドライリースの中間。航空機と一部の乗員を提供。
• 借主が部分的な運航能力を持つ場合に利用される。
4. 購入オプション付きオペレーティングリース:
• オペレーティングリースの形式だが、契約終了時に事前合意した価格で航空機を購入できる権利が付与される。
5. セール&リースバック:
• 航空会社が所有する航空機をリース会社に売却し、リース契約を結ぶことで資金を確保しながら運航を継続する方式。

航空機リースは、航空会社が市場状況に柔軟に対応し、コストを抑えながらフリート計画を効率的に行うための手段を提供します。

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