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【ホロオルタ考察】ウェスタ・ルアとローマ神話

ウェスタ / Vesta

ローマ神話において炉、家庭を守護する女神ウェスタ(Vesta)。ギリシア神話におけるヘスティアに相当し、炉に集う家庭を守る暖かい神だが、その本質は国家鎮護にある。都市国家であったローマを「大いなる家」とみなし、その存続の必須条件であるとしてウェスタに使える巫女は玉体たる聖炎に純潔を誓った。これは国家に保護されるうえ結婚等の義務の例外を認められる国家公務員であった。その影響力は時が立つにつれ大きくなり、歴代皇帝はウェスタ神官である最高神祇官の座を受け継いだ。キリスト教にとってかわられるまで実に千年以上の間国教として鎮座していたのである。後にローマが西ゴート族に落されるとキリスト教への批判が飛び始め、キリスト教勢力は対抗し新たにキリスト教の時代が来たまでであり、ローマが落ちたのは古い守護神の実力不足と揶揄し返した。後者の話から発想を得たのが、聖アウグスティヌスの代表作「神の国」であるとされる。また、ウェスタを語る上でスポンティーニのオペラ「ウェスタの巫女」は欠かせないであろう。純潔であるべきウェスタの巫女が抱いた恋の迷いを語る名作である。彼女について語った神話は少ないが、巫女シルウィアが聖炎に現れた男根に触れ産まれたのが建国王ロムルスとその弟レムスであるとするようなものがある。人型で表されることのない女神であるにも関わらず豊穣の象徴である男根(ファスキヌス)と紐づけられていることは特筆に値する。また、始まりと終わりの神ヤヌスと共に結婚や生贄の儀式などの大半でその名が使われた。彼らに捧げられた聖なる炉はトロイアの炉と呼ばれたという。キケロなどの神学者は「ウェスタは宇宙の中心である地球(アース/ジオ)と同一の存在であり、自ら宇宙に火をともす」と言及している。この考えは地球の神テラとの同一視にまで発展した。

ルア / Lua

ルアの巨大な錨。HoloALT PV1弾より

余り名前の出てこない港町であるルア。その由来はローマ神話において信仰された女神ルア(Lua)であろう。彼女についての情報は非常に少ないものの、ティトゥス・リウィウスによるとローマが戦争で得た戦利品や遺体は火葬という形で彼女に捧げられたとされる。これはその戦いで流れた血に対する償いであり、軍神マルスや戦神ベローナなどの神と同じくして行われた。また、名称から疫病の神であるとも推測される。情報量が少ないゆえに、調和の神であるとか殲滅の神であるとか様々な解釈が唱えられている。

ミスラ

彼女は別に地名ではないが、共通性が見られるため言及しておく。

ミスラ(Mithra)またはミトラス(Mithras)は拝火教または原イラン多神教からローマに受け継がれた太陽と友情の神であり、ローマでは軍神として信仰を集めた。細かな要素については上記の別記事に詳しい。

ホロアースの地名はまだ複数あり、ジオ、センジョウガハラ、エイザンなどこじつけられそうなものも多い。しかし既に若干こじつけ気味であるためこれらについては割愛させていただく。それではまた次回の妄想で。



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