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天音かなた「おらくる」MVのモチーフまとめ

デルフォイの格言

古代ギリシアの聖域デルフォイの神殿は神託の一大産地であり、政治方針にまでも影響を与えるほどだったという。その入り口には入場者に言い聞かせるように三つの格言が刻まれていたとされる。それが「汝自身を知れ(γνῶθι σεαυτόν)」「過剰とは無である(μηδὲν ἄγαν)」「誓約を建てれば破滅はすぐそこにいる(ἐγγύα πάρα δ᾽ ἄτη)」であり、全てMV内に確認できる。

大文字で汝自身を知れ / 0:06
汝自身を知れ / 0:45
誓約を建てれば破滅はすぐそこにいる / 2:25
過剰とは無である / 3:07

タロットカード

ウェイト版タロットから合計四枚の大アルカナがめばち氏によるアレンジを通して使用されている。何れもその中心人物がかなたに、他の人物がうぱおに置き換えられている。それぞれMV登場順に「恋人」「審判」「節制」「悪魔」。

恋人。正位置は「強い繋がり」「誘惑と戦う」「自身への信頼」など / 1:09
審判。正位置は「復活」「改善」「覚醒」など / 1:12
節制。正位置は「自制」「献身」「公平」など / 1:31
悪魔。正位置は「拘束」「堕落」「誘惑」など / 1:35
それぞれのタロットカード

四大天使

キリスト教の天使信仰において、神の前に立つことを許され特に重要視される四人の天使の総称。例にもれずそれぞれキリスト教美術の特徴である「特定個人の象徴」が紐づけられている。天使の軍を率いる聖ミカエル、神からの言葉を伝える聖ガブリエル、人を癒し悪魔を祓う聖ラファエル、預言の解説や不敬者の懲罰を担う聖ウリエルで構成される。ちなみにウリエルはカトリック教会から認可されておらず、むしろ堕天使と看做されている。

ミカエルたそ。剣と鎧で武装した威厳ある天使として描かれる。 / 1:41
ガブリエルたそ。百合の花を象徴とする。 / 1:47
ラファエルたそ。魚を携えて描かれることが多い。 / 1:50
ウリエルたそ。解説者の役割を表す本を持つ。 / 1:53
それぞれの宗教画

人体図

正直この上でたそが↓の顔をしていると思うと面白い / 3:00
13世紀ヨーロッパの血管図
一致する図を発見できず。情報求む。 / 3:02
詳細・出典共に不明だが探索した中で最も類似した図。
分かりやすくダヴィンチ / 3:04
ウィトルウィウス的人体図。

根拠に乏しいモチーフ推察

罪の実

失楽園などを筆頭に、キリスト教ではリンゴを罪や悪の象徴とすることがある。特にキリストと共に描かれる場合は彼が原罪を背負って天に帰ることを示す。邪悪とリンゴが同音異義語「malus」であったことが遠因ともされる。

粉砕される罪 / 0:30
輪置きにされる罪 / 3:10

ガブリエルの天秤

先述した聖ガブリエルは人間の善悪を測る天秤を持っており、その片方には人、もう片方には悪魔か人が乗っており、後者が上にある。また、MVでは何も載っていない皿と釣り合っているのも特筆に値するだろう。

人……? / 1:28
罪 / 1:29
善に押し込まれる人 / 1:31
善悪を測るガブリエル

アリアドネの糸

ギリシア神話に登場する糸。英雄テセウスが怪物ミノタウロスを打ち倒すべく迷宮ラビリンスに入る際、内部で迷わないようにアリアドネに渡された糸を持って入口から伸ばし続けそれを辿って帰還した。

MV中くまなく登場する糸 / 0:06
あの日貶した怪物は自分の方でした / 1:06
最後は大量の糸が同じところに。迷子かな? / 3:04

おわりに

「天使」という上位存在の要素を押し出した大変心地良い楽曲ですね。世界の管理者側に愛された被造物はこんな感じなんでしょう。ステンドグラスの柄としてあまりにも主張が激しかった天音かなたチャンネルにつながるQRコードと和文モールスのアマネカナタにも遊び心を感じました。このシーンの左右たそが持ってる金色の道具って実在するんですかね?それではまた、次はホロオルタの資料記事で。

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