天音かなた「おらくる」MVのモチーフまとめ
デルフォイの格言
古代ギリシアの聖域デルフォイの神殿は神託の一大産地であり、政治方針にまでも影響を与えるほどだったという。その入り口には入場者に言い聞かせるように三つの格言が刻まれていたとされる。それが「汝自身を知れ(γνῶθι σεαυτόν)」「過剰とは無である(μηδὲν ἄγαν)」「誓約を建てれば破滅はすぐそこにいる(ἐγγύα πάρα δ᾽ ἄτη)」であり、全てMV内に確認できる。
タロットカード
ウェイト版タロットから合計四枚の大アルカナがめばち氏によるアレンジを通して使用されている。何れもその中心人物がかなたに、他の人物がうぱおに置き換えられている。それぞれMV登場順に「恋人」「審判」「節制」「悪魔」。
四大天使
キリスト教の天使信仰において、神の前に立つことを許され特に重要視される四人の天使の総称。例にもれずそれぞれキリスト教美術の特徴である「特定個人の象徴」が紐づけられている。天使の軍を率いる聖ミカエル、神からの言葉を伝える聖ガブリエル、人を癒し悪魔を祓う聖ラファエル、預言の解説や不敬者の懲罰を担う聖ウリエルで構成される。ちなみにウリエルはカトリック教会から認可されておらず、むしろ堕天使と看做されている。
人体図
根拠に乏しいモチーフ推察
罪の実
失楽園などを筆頭に、キリスト教ではリンゴを罪や悪の象徴とすることがある。特にキリストと共に描かれる場合は彼が原罪を背負って天に帰ることを示す。邪悪とリンゴが同音異義語「malus」であったことが遠因ともされる。
ガブリエルの天秤
先述した聖ガブリエルは人間の善悪を測る天秤を持っており、その片方には人、もう片方には悪魔か人が乗っており、後者が上にある。また、MVでは何も載っていない皿と釣り合っているのも特筆に値するだろう。
アリアドネの糸
ギリシア神話に登場する糸。英雄テセウスが怪物ミノタウロスを打ち倒すべく迷宮ラビリンスに入る際、内部で迷わないようにアリアドネに渡された糸を持って入口から伸ばし続けそれを辿って帰還した。
おわりに
「天使」という上位存在の要素を押し出した大変心地良い楽曲ですね。世界の管理者側に愛された被造物はこんな感じなんでしょう。ステンドグラスの柄としてあまりにも主張が激しかった天音かなたチャンネルにつながるQRコードと和文モールスのアマネカナタにも遊び心を感じました。このシーンの左右たそが持ってる金色の道具って実在するんですかね?それではまた、次はホロオルタの資料記事で。