イベント運営で使用するというC1 Proの新しい使い方
2023.8.5(土)
株式会社フェイク 金井大介
ヘブンバーンズレッド1.5thフェス インカムC1 Proレビュー
通常カメラスタッフ用の連絡ツールとして使用されるワイヤレスインカムC1 Proですが、イベント運営でも便利なのではないかと思い、新しい使い方に挑戦してみました。
運用方法
2023年8月5日(土)にヘブンバーンズレッドの1.5周年イベント「ヘブンバーンズレッド1.5thフェス」が開催されました。当日は1000名のお客様をお迎えするために50名を超えるスタッフが現場で運営要員として稼働しています。そのスタッフ間の連絡用ツールとしてC1 Proを使用しました。
C1 Proはスタッフの中でもディレクター、アシスタントディレクタークラス16名が使用しています。通常イベントの運営ではトランシーバーを使用するため、ワイヤレスインカムを使うことに若干の戸惑いがありましたが、 直感的な操作性だったこともありすぐに慣れ、ディレクター陣からも「非常に便利だった」という声がたくさんありました。
現場ではHUBをイーサネットケーブルで接続し、2セット分をカスケードして計16台を同時に使用しています。今回のイベントでは運営本部を下記の場所に配置し、その運営本部を拠点に各エリア担当との通信を行いました。
大規模運営のスタッフ間コミュニケーションを支えてくれたC1 Pro
運営では状況に応じた下記のやり取りを行っています。ディレクター間、チーム間のコミュニケーションはトランシーバーでの運営より円滑に行えたと思います。特に一方通行ではなく、オペレーション上で困ったことなどの相談がしやすくなったことにより、オペレーション上のミスが減らせたのではないかと思います。
受付人数の共有
待機列の人数共有
受付進捗ペースの共有
お客さまからの問い合わせ相談
ドアオープンや整理券運営のタイミングの共有
イレギュラー発生時の確認
今後発生する業務内容の確認
C1 Proの使用範囲
HUBを設置した運営本部からは展示ホール前のロビーまで200m程度ありましたがは、快適に通信できました。
しかし運営本部の扉の干渉や来場者数による物理的な干渉がありまして、カフェエリア、また展示ホール内、3F(一つ上のフロア)に入ると通信状態が悪くなりました。
そのため、今回は通信エリア外はトランシーバーも併用して運営しています。
各ディレクターからの使用の感想
「音質がクリアなのでコミュニケーションの齟齬が少ない」
「通常トランシーバーだと来場者が増えると会場内の雑踏で声が聞こえにくくなるが、 C1 Proではノイズキャンセリングの機能のおかげもあり、非常に会話がしやすくかった。」
「ワイヤレスケーブルが絡まるというストレスがないのがいい」
「直感的で使いこなすまで時間がかからなかった」
「今まで当たり前のように大きな声を出していたが、それがストレスだったと気づけた」
「目の前にいても C1 Proで会話をしたくなるぐらい快適だった」
「稼働時間が長く、長時間運用に向いている」
「バッテリー交換が非常に簡単」
「フリップ式なので手で作業しながらでも通信できるのが嬉しい」
「通常のインカムと比べてコンパクトなので悪目立ちしない」
「軽いので長時間使用していても頭が痛くならない」
運営上の懸念点
使用エリアに関してはトランシーバーより狭いため、通信範囲の把握、干渉物の有無、事前テストなど計画的な使用環境の確認が必要と思われます。
帯域内での台数制限(2023年8月現在は最大同時に24台まで)があるため、大型の展示会など周囲で1.9G帯の機材を使用していると電波干渉をしてしまうのが気になります。最近 C1が人気で予想外のところで使用できなくなる心配があります。今後同時使用台数が増えることを期待しています。
運用上の所感
今回は普段トランシーバーしか使用していないイベントの運営現場でのワイヤレスインカムの活用をテストしてみましたが、上記の懸念点を把握できていて正しい運用ができれば非常に心強いツールであると感じました。
特に受付、誘導、警備、駐車場などを中心に行う運営会社はワイヤレスインカムを使用するという概念がないため実にもったいない気がします。運営を担当する会社さんもこの便利さを是非試してもらいたいです。
運営の現場ではある程度のエリア内を「動く」ことが求められるためワイヤレスという特性が非常に適しています。また取り扱うスタッフが技術に疎い人材が多いため、 C1のような直感的な操作ができる機材は非常に助かります。
運営では多くの情報を取り扱うため、インカムの持つ双方向も運営業務に適しています。使用環境も雑踏の中で使用することが多く、ノイズキャンセリング機能のあるProグレードも場合によっては有効であると思います。