『水戸が育てた』は魔法の合言葉
今回のワールドカップは楽しい。
そう感じている水戸サポーターは多いのではないでしょうか。
ドイツ、スペインという優勝経験国が同居する「死の組」と呼ばれたグループEを、事前予想を180度覆して日本が1位通過するという、日本のサッカー界全体の歴史を考えてもとんでもないことになっていますが、
その日本代表の中心メンバーに、かつて水戸に所属していた前田大然選手が選ばれ、活躍していることが、応援するモチベーションとして非常に大きいのです。
ちょっとだけ前田大然選手の来歴を振り返ります。
前田大然選手は、2017年に松本山雅からのレンタル移籍で加入しました。
正直な話、開幕前は実績のある林陵平さんの方が新聞とかの扱いが大きかったのですが、、、
あっという間にその快足ぶりでメキメキと頭角を表しました。陵平さんとの「H &M」コンビはこのシーズンの代名詞に。
その一方で。
この猫との戯れでもわかるとおり、動物子どもの扱いがめっぽう上手で、愛される存在でもありました。当時の練習場である河川敷(ホーリーピッチ)の横で、子供達と水鉄砲で遊んだことも。
だからこそ、マリノス時代に生まれた子供に向けたゴールパフォーマンスであるアンパンマンポーズも、大然らしいなぁと思っているのです。
ちゃんとスポンサーに敬意を見せるのも高ポイント。(このバリカン今も現役なのかなぁ)
だからこそ、水戸サポーターは前田大然選手にチャントを用意しました。
水戸では通常、(サポーターのいろんな思いもあって)レンタル加入した選手にはチャントを作成しません。その原則を破ってでもチャントを作らざるを得ないほどに、衝撃的な活躍だったのです。
大然は1年で水戸から松本にレンタルバックされ、その後マリノスからセルティックに移籍するわけですが、水戸でのシーンはいまだに資料映像として使われるほど。
さすがにこのゴールがアメトークで出てきたのはびっくらこいたけども。
こうした成果もあってか、ステップアップの機会を得ようと多くの若手選手が水戸を選んでくれるようになったと感じています。
友人の東京サポーターと話す機会が多くあるのですが、「育成目的で外に出すなら水戸だよね」という声も聞こえるようになったとの話で、他サポにも認知は進んでいるのかなと。
もちろん練習環境の改善もあるのでしょうけれど、その出口を見せる上で大然選手が見せた道標は、最大のアピール材料になっていると感じます。
ただね、正直なところ肝心の水戸の街内での印象として、前田大然が水戸にいたことが浸透しきっていないという印象も受けるのです。
前田という足の速い選手が日本代表にいるのは知っている。
けど今海外にいるんでしょう?
日本にいないんでしょう?
と返ってくる。
水戸の結果だけは追ってくれている人はいれど、どの選手が水戸にいたのか?までは認知されていなくて、そういう人に大然の水戸時代の話をすると大体ウケてくれる。
けれど、その会話がなければ水戸と前田大然は結び付かなかった。
田中マルクス闘莉王や塩谷司、パク・チュホやキム・ソンギなど、水戸は代表選手を多数出しているのに、一般の人達に中々認知されていないと感じる。
この状況に危機感を持つのは、自分だけでしょうか。
「水戸は選手が育つクラブ」という印象は、サッカーに詳しい人には知られているけれど、その価値をホームタウンの市位の人に伝わらなければ、本当の意味で水戸のクラブミッションである「人が育ち・クラブが育ち・街が育つ」を達成するのは難しくなるのではないか、と思うのです。
トップリーグだけじゃなく、J2リーグや地方クラブにも存在意義があって、それぞれに楽しみや応援する価値がある。それを直感的に理解してもらうためにも、「〇〇選手は水戸が育てた」と、もっと積極的にサポーターが発信していかないと、と感じているのです。
同一県内に割と結果を出すクラブがあるので、そっちに目が行く傾向にあるのが茨城の現状。これはある種仕方がないのかもしれない。
けれどその成功に至るには、結果につながる成長の場があってこそだ、そこが水戸なんだと感じてもらいたい。
U-19日本代表の松田隼風選手、そして上田綺世選手の記録を塗り替え、トップ昇格を決めた内田優晟選手をはじめ、若くて伸びしろたっぷりの選手がたくさん来季の契約に応じてくれて、本当に心強いかぎり。
その選手達が将来世界で活躍する可能性が大いにあるんだよ、だからワールドカップきっかけでもいいから、みんなで水戸ホーリーホックを応援しようよ、という流れを創りたいのです。
選手の過去を蒸し返すことに、嫌悪感がある人がいるのはわかっています。今を大事にしたいから「何とかが育てたとか言いたくない」とSNSで何度か見たことがあります、その気持ちは分からないでもない。でも水戸に在籍したときに成長したんだ、当時を見た人がそう感じたならば、その感覚を伝えて嫌がる選手はそういないと思うのです。
なんだか説教臭くなってしまったけれど、水戸の未来を創るために、そして才能ある若い選手がもっと水戸に来てほしいという気持ちをこめて、自分はずっと叫ぶでしょう。
『前田大然は水戸が育てた』と。『〇〇は水戸が育てた』と。
そして、実績を買われて育成に長けたスタッフが入ったり、一度育てた選手が戻ってきたり、育てたまま残ってくれる選手が少しずつ増えて来たときに、水戸にとっての『新しい景色』が見えてくる気がするのです。
P.S.
この記事はクロアチア戦前に書ききったものなのですが、そのクロアチア戦で、、、、!!!
前田大然選手が貴重な先制弾を、、、、!!
決めてくれました、、、、!!!
もう最上級の喜びすぎて、、、
と書きたかったところですが、やはりクロアチアは強かったですね、、同点に追いつかれた後に、PK戦の末に交わされて16強へ日本の冒険が幕を閉じることになりました。
信じていれば叶う景色がある。ケーズスタは確かに、世界につながっている。その最高の景色を見せてくれたことに感謝します。
そして、そのあとに続く景色を水戸から生み出すために、声高らかに「大然は水戸が育てた」と叫んでいこうと思います。
PK戦で敗退はしたものの。悔しさは残りつつも。
いい夢、見ましたね。十分に讃えられるばき戦いでした👏👏👏👏👏水戸の誇り!ありがとう!!