サッカークラブでもドラフトがしたい!~水戸2023新体制発表会・前編~
2023年シーズンもどうぞよろしくお願いします。あわただしい年末年始を過ごしたと思ったら、あっという間に1月も終盤になってしまいました。これでは今シーズンの終了もあっという間ですね←
実は今年のJ2はだいぶ大変な、かつ重要なシーズンになりそうだぞ、というプレビューをそろそろ書こうかなと思ったところでした。でもそれどころではなくなりました。水戸はいきなり、プレシーズンから大きな方針転換を迎えることになったのです。プレシーズンの仕掛けという意味において。
今年大きく変わった水戸のプレシーズンイベント
今までは、練習場であるアツマーレ(城里町)の体育館で新体制発表会とメディア向け記者会見が一緒になって「アツマーレ入学式」として行われていたのですが、
今年はマスコミ向けの記者会見とサポーター向けの新体制発表会を別にすることになったのです。しかも、サポーターにとっては無料イベントからイベントホールを丸ごと貸切る有料イベントに。決して小さくない変化です。
これには賛否両論様々巻き起こったようですが、
個人的には、モンテディオ山形さんみたいに、市民ホールを使って新入団会見のようなキックオフイベントをやるのって、ちょっとした夢だったんですよね、、、
小さなおらが街クラブが、ちょっとずつ、他の少し大きな規模のクラブに追い付いてきた、そんな気がしませんか、、、?自分は好意的に受け止めていましたよ。
と思ったのもつかの間。
水戸は普通のサッカークラブではありませんでした。
「新体制発表会」のあとに待っていた単語。
「ホームタウンPR大使『公開ドラフト会議』」
ドラフト会議???
野球やバスケNBAと違い、選手は原則自由獲得でドラフトには縁のない競技、それがサッカー。
昨シーズン、『This is Football』をサッカー界の中心で叫んでいたクラブが、フットボールから一番縁遠いイベントである『ドラフト会議』をプレシーズンで行うとは何事だろう、、、?
いや、これは水戸だからこそ何かあるぞ??と思い、チケットを予約したのです。
観に行った結果、やはりとんでもないイベントだったことをここに書き留めておきます。
なぜ「ドラフト会議」だったのか?
本編に入る前に、なぜ公開ドラフト会議をやることになったのか、去年の出来事を振り返っておきます。
2022年の開幕戦後。ホームタウンに選手がもっとかかわる役割を与えるべく、「ホームタウンPR大使」を置くことが突如として発表されました。
そして、あまり間を置かずに当時のホームタウンである県央地域9市町村の担当者をリモートでつなぎながら、(半分お遊び要素込みで)ドラフト会議という名のPRリーダー決めが行われます。
個人的には、選手を割り振るだけなら、全部くじ引きでいいのではないか?
選手PRの先例である、愛媛FCさんの1市町1選手応援事業みたいに、担当制を敷くのもいいのではないか?と思っていたわけです。
でも、実際の映像を見て確信しました。
犯人は、野球好きの中山開帆選手だな、と(笑)
地元である福岡のソフトバンクホークス好きを公言する中山選手。
サッカーと同量の熱量で野球に関するつぶやきが流れてきます。(それでいいのよ)
市町村と一緒に活動をやるわけだから、質をある程度同じにしないといけない。けれど、ただ選手を割り振るだけでは面白くない、どうせなら何か仕掛けようとクラブが考えたところに、中山選手の趣味がバチっとハマったそんな印象があります。もちろん、クラブスタッフの中にも野球ファンがいる可能性は否定できません。。。(サポーターも同じですが)
ちなみに、秋葉監督の「パンチョ中山」も名言でした。
でも海帆選手のモチーフはもちろん現担当である関野さんのナレーションですが。。。世代ですね。。。
それはさておき、「ドラフト会議」という催しは、お遊びから始まったものとしては非常に盛り上がった取り組みになったのでした。こうした小さな成功体験が、「来年はリアルで盛大にやってやろう!」という流れにつながったのは想像に難くありません。
PRリーグが狙っていたもの
かくしてPR大使リーダーを置き、リーダーの指名によってチームが組まれ、各選手が振り分けられました。
で、PR大使は何するの?という疑問に答えるのが、この「おらが街PRリーグ」でした。
もちろん、このPR大使をきっかけに市町村の日前に現地イベントができたのもよかったのだけど。
個人的にはこのオミタマヨーグルトさんとのコラボが熱かった。
ただ選手を応援する、してもらうの関係性ではないんですよね。
選手をしっかりと特産品や名物の商材として使う、そしてゴールパフォーマンスやnoteを通じていろんな人に知ってもらう、そうすることでお互いを支えるという双方向の掛け合いが生まれるのがすごくよかったなと。
そしてこの映像を見ている全国全世界のサッカーファンが、「これは何をやっているんだ?」と興味を持ってくれたらしめたもので、
そこから今まで考えもしなかった人とのつながりが生まれていく。
PR大使という取り組みは、それまであった自クラブの存在を広める、広くあまねく応援してもらう、ということではなくて、「面白そうなことを仕掛ける」水戸のクラブイズムを市町村に広げて、その精神を深化させる取り組みだったのです。
その結果として、どうしても内向きになりがちなこの地域に、「何か面白いことやってみよう!」という意思を多くの人に持ってもらって、活性化させようというクラブのねらいなのだと感じました。
そして自分としても、こんなに選手がやってくれているんだから、何かお返ししなくては、、という意識になったのは言うまでもありません。そういう人が増えてくれればいいのにな。
前置きが長くなりすぎてしまいました。
後編では、当日のドラフトがどのように行われたのか、その現場の熱気を伝えるとともに、
このドラフト会議、実は当日のチケットがほとんど売れず、、、
その販売不振の原因を自分なりに考えてみたいと思います。
ということで、後編はこちらから↓