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ひたちなか里帰り開催のロッキンを総括しようじゃないか

2024年9月14日、ロック・イン・ジャパン・フェスティバルが国営ひたちなか海浜公園に5年ぶりに帰ってきました。14,15,21-23日の計5日間開催。

2019年までは当たり前だった光景が戻ってきた喜び。

2019年、ロッキンのグラスステージ(一番大きい舞台)の様子。
広い広い大草原のもとで、5万人が同時にライブを見られる場所。

2020年は感染状況を踏まえて中止。よく21年にようやく開催、と思いきや、大人のゴタゴタの末中止になりました。

22年から本番開催を蘇我に移しますが、蘇我はGWのJAPANJAMと同じ場所。

蘇我開催ロッキン初開催(2022年)の入場ゲート。
左に見えているのはジェフ千葉のホーム・フクダ電子アリーナ。

蘇我のほうが近くていいよね、と思っている若い人尾たちには申し訳ないけれども、ロッキンが持つ特別感が薄れてしまったのは、正直ぬぐえなかった。

かくして、これらを乗り越えた里帰り開催。

2024年ひたちなか。この光景が見たかった。

自分は水戸在住の地元民ではあるので、多少の色眼鏡はあるかもしれないけれど、各地の音楽フェスに参加した経験からしてみても、ひたちなかのロック・イン・ジャパン・フェスティバルは快適性という意味で素晴らしい空間だと断言できます。

自然の中で音楽を聴きたいならば、フジロックやアラバキロックフェスに行けば、最高の環境が手に入る。ただし、東京から距離はある。

いわゆる大規模都市型フェス、近距離で大人数の中で音楽を浴びたいならサマソニや(春開催にはなるけど)ビバラロック、JAPAN JAMあたりが一番いい。ただ人口密集地でやるから音量は多少割り引かないといけない。炎天下になるときついし、コンクリートの上で歩き続けるのも体力を奪われやすい。

ひたちなかのロッキンは、自然もあればキャンプもできるし、日陰もたくさんある。

しかも、東京から電車車で2時間弱で日帰りアクセス可能なことから、ほかの大規模フェスの長所を含みつつ、音量もそれなりに出せる国営ひたち海浜公園。

つまり、すべてにおいてちょうどいい。

モッシュ・ダイブ禁止とか最前エリア設置とか煩わしいと思っているロック好きは多いとは認識しているし、その批判もおおあのだけど、全てのルールはライブ初心者が安心してライブを楽しめることに特化しているが故のことであることに留意しておきたい。

CDJから導入され、ひたちなかでは今回が実地では初導入になった最前エリア抽選。押しくら饅頭にならず、最前地蔵に悩まされることもなく最前へ行ける機会が平等に快適になった。

それ以上を求めるなら『卒業』して他のフェスに行けばいいわけで、その好みが分かれる前の分岐点になれるフェスと言うこともできるだろう。

さらには、ロッキンの企画元のロッキング・オン社。今でこそイベント主体な会社のイメージになっているけど、すべての根源は音楽同人誌。音楽シーンからトレンドをフックアップして伝える、その根っこは今も変わっていない。

その姿勢が一番反映されるイベントが、ほかでもなくこのロック・イン・ジャパン・フェスティバルなのだ。

ラインナップに関しては一部に批判があることは承知の上なのだが、有名どころにおんぶにだっこしすぎることなく、あえて若手バンドに期待してトリを任せるなど、将来につなげる人選やタイムテーブルを行うことも特徴の一つ。

結果として、客の数は正直少なくとも満足度は高い、という状況が生まれることになる。話が先に飛んでしまうが、初日の流れがまさにそれだった。

演奏前には失敗するんじゃないかと(客に)思われても、会場で聞くとファンになってしまう。それが次につながる。その流れを作れる稀有なフェス、それがロッキンだ。僕は初日トリを務めたSaucy Dogの演奏を死ぬまで忘れないだろう。

そんなわけで、フェス最適地に再降臨したロッキンひたちなか。

2019年までは商工会が取りまとめていた「みなと屋」が開設されていたところ、準備態勢が整わないということであえなく断念。
ステージも以前とは違いグラスステージ1つしか用意されていない。

でもそれ以外は、

五浦ハムさんのハム焼きを仲間と喰らう。
鹿島スタジアムでもハム焼きは食べられるけど、海浜公園で食べる味はまた違う気がする。
酒趣さんのメロン丸ごとクリームソーダは、まさしくこのロッキンで市民権を得たといってもいい。
コロナ禍のクラファン参加したのでアイスは常時3個ついてくる仕様✌

食事だけではない。

マキシマム・ザ・ホルモンのライブ中に観覧車に乗った時の様子。人の波が起きる瞬間が上から見えるフェスは日本ではここだけだ。
終演後の花火も復活。
蘇我開催では花火がなくなってしまっただけに、うれしかった。

ゴミが相変わらずほとんど落ちていないなど、清掃体制も万全だった。
だからこそ、ほかのフェスと比べて圧倒的に快適に過ごせる。
フェス飯も含めて、本当に以前のロッキンが戻ってきた印象だった。

フェス開催の内情を良く知る鹿野さんがこう言うのだから、大変な苦労の上に成り立ったのだろうと想像する。1ステージでも大変なんだ。。。

旧・ヒルサイドステージはフェス仕様ではなかった。
かつてはヒゲダンやSaucy Dogが最初にロッキンのステージに立った場所。


この目で見たぞ!夏フェス最後のサザン。
感想はほかのファンに譲ります。

自分はこれまで今回含めて2011年から10回連続でひたちなか開催のロッキンにフル参戦してきた。会場のこだわり、企画者のこだわりは、今年のひたちなか開催でも今まで以上のものが見えたし、このようなフェスが毎年行われてほしいと強く願わずにはいられない。

某放送局(中止になった21年の主催者)がやる別イベントも22年から始まっているが、ここまで見てきた通りフェスの企画意図もブランドも全く異なるのがわかる。
むしろ、時期さえ調整すれば2つのイベントは両立可能だとも感じた。

コロナ禍のオブラートに包まれて、オトナの交渉がどのように行われたのかはわからないが、ここまで成功して来年ひたちなか開催がないのは、さすがにおかしいと感じる。運営の持続性からしてみても、

ロッキンを5年に1度しか行われない奇祭にしてはならない。

もちろん、若年層の可処分所得が昔ほど潤沢ではない、という事情やロッキングオンがほしい客層はどちらなのか?ということも判断の中にあるのだろうけど、より良いライブ・フェスを求めたい側からすれば、願いは一つだ。


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いしまさ
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