This is Football!!は永遠に
激動の2022年シーズンが終わりました。
我らが水戸ホーリーホックは、開幕戦が延期になる波乱の展開で幕を開け、ご時世的な荒波に翻弄されながらも、無事に残留を決め、ダービーを奪還し、秋葉監督3年間の最後を華々しく飾ることができました。
今期を振り返る時に長くなると思ったので、秋葉監督に対する思いについては、最終節前にまとめてあります。
ただ、今季をまとめるにあたって、ここで書ききれなかったトピックを一つだけ。
そういえば、『This is Football!!』って、何だろう?
『This is Football!!』に始まり、『This is 水戸ホーリーホック!!』『This is(×3) Football!!』、最終節にはついに『This is ホーリーホック‼︎』とバリエーションは意外とある。
最近では、なぜか水戸と関係ない試合にも『This is〇〇』が使われていたり。
実況めっちゃ「This is 札幌」って言ってるし。(この人の実況何気に好きなんですけどね)
なんかサッカー界隈でネットミームになりつつある「This is…」について、版元の水戸から改めて整理しつつ、「This is Football!!」の本質とは何を表したのかを考えてみたい。
なお、これらの言葉を総称する用語として、ここではグッズにもなった『This is Football!!』に表記を統一して、話を進めたい。
『This is Football!!』のシリーズは、結局のところ全部意味は一緒だと思っています。
なぜなら、
負けた時には絶対に使われない。
得点しても、追いつかれた時には、言わない。(アウェイ相模原戦など)
勝った試合の後でも、ウノゼロ勝利の時には、言わない。
意外と思われるかもしれないが、大量得点で勝利した時も、言っていない。(初年度町田戦など)
では、いつ発動するか。それは、
・逆転勝利を収めた時。(終盤2連戦など)
・後半追加タイムで劇的な得点を収めた時。(今季H徳島戦など)
この2条件に当てはまる時にだけ、『This is Football!!』が発動する。
サッカーは守り合う中で点を取る競技ですから、一方的に勝ってもウノゼロで勝っても良いモノのはずです。
また逆も真なりで、えてして不条理や噛み合わせが悪くて負けることもあるのがサッカーあるある。『これもサッカー、、、』と言い訳にしたくもなる。
でもあえて、劇的な瞬間だけ賞賛の言葉を述べるというのは、単純に監督が感情が昂っただけとは思えないのです。
先ほどの記事でも書いた通り、水戸の伝統はかつて「水戸ナチオ」とも称されたように確固たる守備にありました。ただ逆に、先制点を取られるとグッと勝率が減ってしまう、逆転勝利が一年にあるかないか、というのも、悪い意味での水戸の伝統でした。
こういったことを、ある意味で壊し、自主性を持たせて、逆境を跳ね返すメンタリティを植え付けようとしたのではないでしょうか、と言うのが、自分の見立てです。
実際、デイホリのロングインタビューでも、「ハードワークして、最後まであきらめない、戦い続けて、体を張り続けるという伝統とDNAが残っている。(中略)負けないマネジメントはできたんですけど、勝たせるマネジメントができなかった。」という発言をしています。
リーグ戦をこなすなかで、うまくいかなかった試合も正直ありました。万全の準備をして真っ向勝負をした上で、相手に上回られたこともありました。相手があるわけですから、ある程度は致し方のないことだと割り切らないといけません。
しかし、そのような様々な困難を乗り越え、チームを勝たせるためのタスクを完遂し結果を手にした瞬間がやってくる。
それが、『This is Football!!』に凝縮されているのです。
チームを勝たせるためのタスク、それはサポーターにもあります。
先日のアウェイ栃木戦の時のサポーター目線の映像をもう一度見てみましょう。
これまでの水戸サポーターであれば、失点するとため息が漏れる、ネガティブな発言が多くなる、結果としてスタジアムの空気が淀みがちになる、という悪循環がよくありました。
しかし、今年声出し解禁になってからの水戸は違います。特にこの日のコールリードは、2失点してからの声の掛け方が絶妙で、例えば
「下向かないよ!まだ時間たっぷりあるんだから!!」
「俺たちがやるんだよ!俺たちが選手に力与えてやろうぜ!!」
のように、選手を否定しない、想いをさらに伝えるための手拍の煽り子、チャントの徹底、なにより自分たちの行いによって逆転させるんだという想いを真正面からぶつけてくれました。
「戦え水戸」という逆境の時しか歌わないチャントを合図にし、サポーター全体が一つになってその気概に応えていきました。
およそライブでもしばらく経験しなかったような、一体感、グルーヴ感が、スタジアム内に生まれ、場内を飲み込み、やがて水戸の大逆転のドラマにつながっていきました。
「情熱の歌」という栃木アウェイのスタジアムBGMでよくかかっていた歌がありますが、その中で歌われている
という歌詞を体現したのは、この日、ホームの住人よりも、間違いなく水戸のサポーターでした。
あの日のサブコルリさん、本当にありがとう。貴方がいなければ、こんな試合にできなかった。心の底から感謝しています。
試合終了後、スタンドにいる水戸サポーターのあちこちから、
「This is…」
「This is…じゃね?」
「これは間違いなくThis is Football…!」
という声が聞こえたのは、言うまでもありません。この瞬間そのものが、水戸サポーターにとって「This is Football!!」=サポーターのタスクを完遂した瞬間だったからです。
秋葉監督の言葉とリバウンドメンタリティがサポーターにも浸透してきたことで、サポーターの理想と監督の理想が合致した瞬間でもあったわけです。
翌週のホーム群馬戦、自分はメインで見ていたのですが、各所の反応を見る限り同じような現象がこの日もあったようで、感動もひとしおです。
来季は監督が秋葉さんから浜崎さんに代わります。
監督が変わろうと、サポーターがこの3年間の色々な出来事を思い出せるような声かけや、リバウンドメンタリティを選手に示せたら、来年の水戸もまた一体感を持った試合ができるはず。
試合後とか写真撮影とか(笑)、水戸のDNAを表す合言葉として「This is Football!!」が響く未来であってほしい。
今シーズン、お世話になったみなさん、、本当にありがとうございました。
かなりサポーター仲間の絡みが増えまして、充実したシーズンになりました。
全ての想いに感謝して、世界からのメッセージ動画でこの記事を終わります。
来年もいっぱい喜び、感動できるシーズンになりますように。。。
※ザンビア ブルーメンの皆様より
発注した自分が言うのも何ですが、、ちゃんと「水戸ホーリーホック」って言えてるなぁ、、、と感心してしまったのは私だけでしょうか(苦笑)