スマホゲームが教えてくれたこと
サービスデザイナーを名乗っている手前、AppStoreでランキング上位のアプリは遊ぶようにしている。少し前に流行った2つのゲームをご存知だろうか。
TimeLocker
敵を倒して進む、新感覚の時間操作系シューティングゲーム。
旅かえる
レアな旅行写真やお土産を求めてカエルを旅させる収穫ゲーム。
どちらも暇さえあれば遊んでしまい、娘に「パパはいつもゲームばかりしてる」などと言われる始末。
ただ、旅かえるは4歳児には好評で「カエルくんそろそろ帰って来たかな〜」とちょくちょくアプリを見せろとせがまれる。
どちらもヒットしたゲームであり、なにか共通点はないか仕組みを考察してみることにする。
なぜゲームをするのか
暇をつぶすためではない、ゲームには目指すべき【大目的】が用意されている。
TimeLockerの場合、モンスターを倒しながら遠くへ行くほどスコアを獲得できる。そのスコアを過去の自分と、あるいは友人と競うことが大目的と言える。
そして強化アイテムを使うと攻撃力が上がり、序盤から有利に戦える。
特殊能力を持ったキャラクターをアンロックして使用すれば、ハイスコアの可能性も高まる。
そして強化アイテムもキャラも、倒した敵が落とすコインと交換して手に入る。
つまりゲームの大目的に対しこういう構造になっている。
そしてこのコインの稼ぎ方は大きく3つ。
・ゲームをやりこむ
・広告を見る(30秒!)
・アプリ内課金
広告閲覧でコイン獲得は多くのアプリに見られるマネタイズ手段だ。特にTimeLockerは一度死んだタイミングで、復活するためにコインを払うか広告閲覧かを選択させている。
もっとも課金したくなる悔しいタイミングで選択を迫ってくるのが上手い。
さらに課金しないと獲得できないキャラクターもあり、無課金ユーザーへの「課金しろ」というメッセージも暗に感じる。
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旅かえるの構造
続いて旅カエルはどうか。こちらの大目的はレアな可愛い写真を得ることにある。筆者のベストショットはこちら。
レア写真を撮影するには旅行先を決めるアイテムの選択が重要になる。
いずれもお店でゲーム内通貨のクローバーと交換して得られる。
クローバーは定期的にアプリを立ち上げて収穫する。(たまに四つ葉のクローバーがあって嬉しい)
収穫自体はぜんぜん面白くないので、さっさと課金してクローバーをゲットしたくなる。ゲームとしてはいかがなものか。
これも仕組みを書くと、
となり、基本構造はTimeLockerと同じようになる。そしてクローバーはゲームのやりこみか、広告閲覧、課金のいずれかで獲得できる点もTimeLockerと同様である。
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スマホゲームの基本型
帰納的だがほとんどのスマホゲーム構造は以下に収束するのではないだろうか。
実際にはゲーム内通貨も複数あったり、もっと複雑だったりするだろう。ただスマホゲームという無料で遊んでもらって、あとから収益化を図るモデルでは、この形に収束するように思う。
そしてゲーム内通貨の稼ぎ方は3種類
・ゲームをやりこむ
・広告閲覧
・アプリ内課金
を基本とし、ゲームによってはどのユーザー行動にインセンティブを設けるかでユーザーの行動をコントロールしている。ランダム性を活かし、ユーザーを飽きさせない点も重要だろう。
そしていずれも【ゲーム内通貨】で直接【大目的】は達成できないようにしている。
魔王を買収できるRPGはおそらく存在しないように、ゲーム内通貨でゲームクリアさせてしまうと稼ぐことが目的の別ゲームになってしまう。
そしてこれはたぶん人生も同じで、
こちらもお金で直接幸せは買えないのである。(言いたいだけ)
それでは