一応大手ネット広告代理店出身のぼくがとても小さな予算で広告を開始しようと思うので改めて考えてみたこと。
10月にレンタルオフィスの一部を短期貸のワークプレイスにプチリニューアルしたHOLDER六本木。
おかげさまで、多くのリピートのお客様に支えられ堅調です。10月は初月でぼちぼち。11月は10月の127%。12月も昨日の段階で11月を超えたので、ギネス突破です。どこまで伸ばせるやら。
特に休日のラウンジは、おかげさまで年間契約を3つ頂いたので、土日は来年ほぼ満室稼働が決定しました。
とはいえ、まだまだ短期貸ワークスペースをあと20%くらいは伸ばせるかなと思っていて、また、オフィスでも1つ空室が出るので、すごく久しぶりに広告を運用しはじめようと広告業界志望のインターンの子と準備を開始しています。
ちょうど20年前に大手ネット広告代理店で一応トップセールスだった時は、とにかく大きな予算をお預かりしてクライアントの目的(当時は主に会員獲得とか資料請求が目標だった)を達成しようと躍起になっていた。国内最大規模の広告主R社さんの各div.や大手カード会社JさんやOさん、大手不動産デベNさんなど、月間億単位の広告費をお預かりしたこともある。今はそれから比べたら冗談みたいな本当に限られた予算の中で運用を考える。というか正直予算なんて本当は一円もない。
あの頃にはまだ全然実感できてなかったというか、手触りがわからなかった広告の存在。経営者になって、あのころのバジェットなんていうよくわからない表現をしてお金を運用していた感覚には反省しかしない。
頑張ってくれているスタッフの時給を50円でも上げてあげたい。8時間だと1日400円くらいか。会社の400円はとても大切な400円だ。それを一瞬のうちに消し去ることがとってもよくある広告。コツコツ3000円でお部屋を貸して積み上げて行く売上もあっというまだ。
きほん僕は領収書をきらない。それも同じことだ。会社のお金は大切だし、社長のものではない。ここについては堅実だと我ながら思う。
それでもなぜ広告をやってみようかなと思ったかというと、売上を伸ばしたいということは当然なんだけど、いいサービスができたなと、自信をもててきたからなんだと思う。
日々ご利用いただけるお客様が少しずつ増えて、いい空間だよね。と言ってもらえて新しい顔馴染みができてく小さな喜び。その小さな喜びをもう少しずつ増やしたい。
で、広告ってなんだろうともう一回今更考えてみた。インターンの子に説明をしなければならない。この超小予算企業の広告戦略を。
営業DMとかほんと結構鬱陶しいなあと思う。過去何千通も来たけど、1回も反応したことない。アプリなんかみてるときな臭い広告が出てくることもあって、鬱陶しい。本当に心を動かされる広告って偶然ではなかなかお目に描かれない。
それでも、広告をうつ。刺さらないであろう多くの方々にごめんなさいね。と思いながら。
だから、せめてまずはいいサービスを作らないといけない。それまで広告をしない。広告で何とかするではない。ここはとても重要。いいサービスなら、せっかくだから多くの方にご利用頂きたいじゃない。という発想。
反響が、問い合わせが何件きたかだけではなくて、どれだけ無駄をしてしまっているか、それは僕たちの広告費が無駄になったとかだけではなくて、あんま興味ないのにごめんなさいね。という受け取った方の限りある時間を頂いたことになんだと思う。その配慮が大切な気がして、その工夫が大切だなと思う。そして当然結果にこだわらなければならない。
そういう意味だと、やたらポスティングされてる出前やタクシーサービスのクーポンって理にかなっているんだなぁと感じる。あれ結局使うし。
僕たちの作ったこの空間を知ってくれる人が少しでも増えて、使ってもらう人が少しでも増えて、こんないいとこあったんだったらもっと早く知ってれば良かったと言ってもらえたりした時に心でガッツポーズをする。たった1日とかたった数時間の会議や商談が誰かの人生をかえることだって、どっかの社運を変えることだってあるはずだと、大袈裟に考えていたい。
空間をおしゃれにしたらそれで良いわけではない。うちにはとっても頼りないけど、真面目で誠実すぎるスタッフ達がいる。色々不手際だらけの運営や配管が古いからたまに故障してしまうトイレや、空調の暑い寒いをうまいこと譲りあって大目にみてもらいながらご利用頂けている心暖かすぎるメンバー企業の皆さんがいる。時々あるいは頻繁に使っていただけるいつもの常連の方々が挨拶してくれる。とにかくそのみなさんのなんというか気がいいと思う。それがこの空間の心地よさなのだと思う。個人的に。いい人しか採用しないし、大切な人しか、大切な企業しか応援しない。それが鉄則だ。
広告を出すと、いや、今はまだ出していないのにちょっと困ったお客様からのお問い合わせもくる。六本木駅徒歩30秒。そりゃ色々な人がいる。せっかく作ったこの空間を大切にしながら、でも縮こまっていても面白くない。色々大変なことも増えるだろうけど。
とにかく真面目な広告をやろう。おいおい来てみたらぜんぜん違うじゃない。とか、やめときゃ良かったと思われないような。もっと安くなんない?とか言われないような。正しい価値を信じて。クリック率とか開封率とかコンバージョン単価とかKPIとかにあまり心を奪われないように。
年内に準備して、1月は多分暇だろうから、広告でその分を埋めて、せっかくだから4ヶ月連続ギネスを目指したいと思う。今日は常に未来の過去だ。
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(画像は、六本木の3階ラウンジ。Value is in the eye of the beHOLDERのネオン越しにミッドタウンのライトアップがいい感じの季節です。)