HOLDER roppongi midtown-side5階(5Cと5D)の追加募集をすることになったことと現状のお話。
「HOLDER」は入札でユーザが賃料を決定するというシェアオフィスというモデルで今年スタートしました。
入札で価格決定というスタイルは、賃料のつりあげを目的にしたものではなく、無理なく適正と思って頂ける条件でご入居頂きたいという想いで作ったものです。将来的に価格は想定値に近づくと思うので、最初は儲からないけど、それは初期投資として考えればいいかと。
営業とかかけひきでできるだけできるだけ高く、なんとかうめる。みたいないわゆる不動産的な取引はいやでした。また、お金さえ払ってもらえれば、よくわかんない人でも入れるというようなこともしたくありませんでした。
入居者の質にはこだわりました。おこがましいけど応援したいなと思えるスタートアップ企業であること、もちろん金額的に頑張って作った施設を評価していただける企業にご入居頂くというプランでした。
会社を作って、オフィスを構えて、良い環境を作るのにはかなりのお金がかかります。ビルは古いけどまだ見ぬ入居者の方々のために、良い立地で、素敵な空間を作りたいと思いました。
清掃をしっかりやって、受付など、入居者のサポートもしっかりできるようなものにしようと。複合機なんかも見栄えの良いものを選びました。
前職でのご縁もあり、ハーマンミラーのアーロンチェアを大量に仕入れてご提供しました。
1号店を明治神宮前・原宿にオープンし、小規模ではありますが、VR関連、学生ベンチャー、AI関連、クリエイティブエージェンシーと大変良いスタートアップにご契約いただけました。
5月に入札を締め切りました「HOLDER roppongi midtown-side」も、不動産テック関連、ヘルステック関連、高級店予約サイト運営、人材系スタートアップ、プロダクトデザイン関連、ベビーシッターマッチングサービス運営と、事業内容も面白そうな会社ばかりで、1号店同様、良いご契約を頂けました。
前回のエントリーで4階の契約完了のご報告をしましたが、5階については、埋めきれず、5名席と10名席の2部屋ほど追加募集をすることにしました。
入札も頂きましたし、契約に向けて調整をさせて頂いた方はいましたが、最終的にもろもろの条件が折り合わず契約はお見送りとなりました。入札にすることで、100%稼働させるという当初のモデルを崩すかは相当悩みましたが、別の候補先を無理に入れるということもしませんでした。再度入札も考えましたが、コストがかかりすぎるため断念しました。
知名度が足りなすぎました。良いものを作れば世の中は評価してくれるという一番おちいってはいけない過ち。まずは知ってもらうことの大変さを見誤ってしまいました。内覧の母数が思った以上に伸びませんでした。候補先が想定よりも少ない中、入札数も金額も想定ほどは伸びませんでした。そんな中、無理をしてでも埋めるという判断は、結局行いませんでした。
2部屋については、知り合いや投資家などにお声がけして、該当しそうな会社を探すことにしました。プレスリリースなどを見て、良さそうな会社に営業メールを送ったりもしています。
新しいことをはじめて、いきなりうまくいくなんてことはありません。これまでいくつも事業を立ち上げてきました。その度に失敗し続けてきましたし、修正しながら頑張って軌道に乗せてきました。
今回も、理想と現実にはギャップが生じてしまいました。ただ、いままでとは違うのは自分が頑張るとか、我慢すればいいということではない。運営者としての悩みは仲介とは全く異なるものでした。
大きな投資も受けて、拠点を一気に増やす計画でしたが、今はいったん立ち止まろうかと思っています。
ご入居者の方々。貸して頂けた大家さん。ぼくを信じて2つ返事で投資をしてくれた個人投資家、スタッフ、新しい挑戦に背中を押してくれた前職の経営陣、メンバー、投資家の方々。ご期待頂いた多くの諸先輩方。
現段階では、まだ期待に応えられてはいませんが、事業を死なせないこと。いまできることをしっかり全力でやろうと思います。
17年ぶりですが、起業はなかなか大変です。