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日記┊2024.8.5~8.11

2024/08/05(月)
 昨日のぶんの日記を書いていた。寝つき悪かったから日中ちょー眠くって、起きたら夕方だった。昼夜逆転からなかなか抜け出せない。 


2024/08/06(火)
 十数年ぶりに『鉄コン筋クリート』を観た。子供のころ観たときは怖い映画としか思えなかったけど、いま観るとすごさがわかる。ストーリーじたいは比較的王道(?)ではあるが、それよりなにより宝町の描き込みが凄まじい。これは町が主役の映画。
 今日は原爆投下の日だったと思い至り、今度は『風の吹くとき』を観に映画館へいった。原爆が投下された後でさえ、雨水でお茶をいれて朝食をとる老夫婦。傍からみるとちょっと滑稽にすら思えてしまうけど、彼らの無知や脳天気さは笑えない。正常性バイアス。他人事ではない。原爆ですべてがめちゃくちゃに破壊されても、いつも通りの生活を続けようとするが、被爆の影響で少しずつ生活が崩壊してゆく。あまりにも痛々しく、残酷。
 退職の旨を一個にはLINEで連絡して、もう一個のバイト先はまだ。つぎんとこも応募した。バイト辞めるときって、いつも人間関係を一気に切れて気持ちいい。


2024/08/07(水)
 朝方、バイト先から電話がきて、退職の旨を改めて伝える。その勢いでもう一個のバイト先にも電話したけど、シフトの問題で今すぐには辞められないっぽい。
 夕方ごろ、バイト先に退職届を出しにいった。これで一個は辞められた。自由。お家で祝杯。


2024/08/08(木)
 酒をのんで寝たせいか、一日じゅう死んだように眠っていた。起きたら日付が変わろうとしていた。


2024/08/09(金)
 なんとなく観たい気分になって、朝から押井映画を立て続けに何本か観た。
 久しぶりにノベルゲームを作ってみている。締め切り的にやってる場合じゃないんだけど。


2024/08/10(土)
 叔父叔母と奈良の大台ヶ原へ。大学辞めたことについて何か言われるかと身構えてたけど、特に言及はなかった。
 叔父の運転で二時間ほど走り、大台ヶ原に到着。ずいぶん涼しい。麓と比べても、気温は十度ほど低い。
 西大台は日出ヶ岳(標高1695M)を目指して山道を歩いた。勾配が緩やかで、思いのほか疲れなかった。山歩きをしていると、すれ違った人がほとんど必ず「こんにちは」と挨拶をする。当たり前のことだけど、街ですれ違った人とは挨拶なんてしない。山歩きならではのコミュニケーションという気がする。ある種の共同意識があるのかもしれぬ。
 頂上に着くと、遮る物のない山風が吹いていた。日出ヶ岳を下り、そのまま正木ヶ原へ。立ち枯れの木が疎らにあって、他には笹が地面を覆っている。山の輪郭がわかるほど視界が開けていた。
 夜八時ごろ。夜空にはプランクトンのような星が散らばっていた。海と宇宙は似ている。流れ星がひとつだけ見えた。


2024/08/11(日)
 今日は東大台へ行った。昨日の西大台とは違って、あまり人の手が入っていない原生林。立ち入りにも認定証が要る地帯。倒木から苔やキノコが生えていたり、苔むした岩がそこいらにあった。西大台のように道が整備されていないうえ、勾配も激しく、ずいぶん疲れた。十三キロほど歩いて、四時間弱かかった。枯れ木が目立つ西大台とは対照的。
 山を歩いたり、温泉に入ったりしながら小説のこともずっと考えていて、次作の構想や、いま書いてる作品の展開もぽこぽこ思いついた。こういう避暑地の宿で小説を書いていると、なんだか文豪の気分。気分に見合った、もっと良いものを書かなくちゃね。どれが遺作になっても構わないように。

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