日記┊2024.9.2~9.8
2024/09/02(月)
養成学校の合評作品をようやく読んだ。大学の合評会で読んだ作品と比べて、ずっとレベルが高い。大学生でも到底適わない作品を書くひとがいたけど、せいぜい二人か三人。
今日読んだ作品は、性暴力や望まない妊娠によって産まれた子供について赤裸々に扱われていて、かなり読ませられる。こりゃ授業が楽しみ。
2024/09/03(火)
夕方ごろ、大阪文学学校の授業見学に行った。雑居ビルのワンフロアに教室が二部屋、事務室が一部屋ある。ずいぶん古びた印象だった。どうやら七十年ほど前に創設されたよう。
ゼミの人数は十人くらい。合評会では在校生たちが順繰りに感想を言っていく形で、僕もいちおう発言をした。他の人たちと比べればまだまだ読みが浅い。気持ち的にはもう通うつもりでいる。実家には帰らなきゃなので、とりあえず母親に伝えるだけ伝えて、すぐ入学届を出そう。ただ漫然と書くより、こういう場で自らの才能を点検してみる方がずっといい。
2024/09/04(水)
母と旅行することんなった。どこにも行きたくないし、なんで遠出なんかしなきゃいかんのか。疲れた。とはいえ何が何でも嫌ってわけじゃないし、誘われたのに悪いと思って断れない。ちゃんと断れるようにならなきゃ自分が疲弊するだけだな。
朝早すぎてぜんぜん寝られないし、財布忘れて二時間遅刻するしで、午前中のうちにすっかり疲弊した。駅で母親と合流し、あとはホテルでゆっくりできたのでいくらか回復。
実家に帰る旨を伝えて、とりあえず十月頭にでも引っ越せたらいいなって感じ。今日の夜、オンラインで入学届を提出した。
2024/09/05(木)
石見銀山に行った。坑道内は薄暗く、ひんやりしていた。壁面は濡れており、水が滴っている。ここを掘っていた坑夫や炭鉱町の暮らしなどを想像して、物語の舞台として面白そうだと思いながら坑道を歩いていた。人の手で掘られたことが目で見てわかるからこそ、人びとの生活が想像させられる。
母はもう一泊してくらしいので駅で別れ、僕は特急と新幹線を乗り継いで帰宅。疲弊。
2024/09/06(金)
入学届に書いた、入学のきっかけとか書きたいテーマについての文章が、文学学校のサイトに載っていた。どうも手癖で希死念慮について書いちゃって、たぶん読んだ人からは深刻に受け止められる。当たり前のことなので僕にとっては深刻じゃないんだけど。(一般的に)深刻な問題をポップに書く(神聖かまってちゃんの曲がそれだと思う)というのは僕にはできないので、なるべく感傷的にならないよう、感情を込めずに淡々と書くってのをもっとできるようになりたい。もしくはずっと婉曲的に書くか。
ずいぶん久しぶりに精神科に行った。自分のなかでは色んな経路があってのことなんだけど、そこんとこは端折ってともかく近況を話した。だれかに自分の考えや感情をわかってほしいなんて、もう考えないようにしたい。事実だけを伝えて解釈は任せる。自己と他者は当たり前に分断されている。
2024/09/07(土)
K先生と食事。赤を入れてもらった原稿を受け取る。酷評ではあったけど、そのぶんどこがどうしてダメで、どのように変えればいいかを教えてもらった。少しずつ指標が見えてきた。やっぱりこれは寄宿舎ものをベースに考えていくべきだ。いまは場当たり的で半端な作品になっちゃってるから、もっと構成を練って、いまある良い部分を活かしたり機能不全に陥っているところを治していかなくちゃ。
2024/09/08(日)
すごーく眠くって、とりあえず最低限やるべきことだけやって、あとは家に引きこもっていた。
昨夜、登場人物の関係性をもとに、なんか図式化みたいなのを懲りずに考えていた。こういうのってたぶん何の意味もないんだけど、楽しいからつい考えちゃう。まず性的主体と性的客体を象徴する人物がそれぞれいて、主人公はその狭間で葛藤する。異性愛規範においては常に男が見る・女が見られるって二項対立があって、そこを転回させるのが同性愛じゃねーかなと考えてみていた。男が性的客体として眼差されるということ。