日記┊2024.9.30~10.6

2024/09/30（月）
　ほんとは美術館にも行こうと思ってたけど、前日に休館日なのを知って断念。
　予約してた眉毛サロンが寂れた雑居ビルのなかにあって、いっしゅん風俗かと思った。なかに入ったら普通の美容院みたいな雰囲気。痛いって聞いてたワックス脱毛はむしろ気持ちいいくらいで、それよりも店員さんと話すのに疲れた。めちゃくちゃ気さくな女性店員さんだったんだけど、メンヘラ引きこもり男には関わりのない人種すぎる。
　自分を好きになるには容姿を好きになっちゃうのが手っ取り早い。心を変えるのは難しいけど体を変えるのはいくらか簡単。かわいい服も着たいし髪も染めたいし、とにかく死ぬまでにやりたいことやってこう。


2024/10/01（火）
　母が引っ越しの手伝いに来てくれ、いっしょに昼食。それにしても他人の容姿についてあれこれ言うひとって、やっぱキツいな。とはいえ、同じようなルッキズムは僕にも明確に内面化されている。こういう言辞を拒絶するにはまず僕自身のルッキズムに向かい合わねばならない。でなければ、単に口にするか否かの違いにしかならない。


2024/10/02（水）
　例によって家から出られず、会期的に美術館いくのが厳しくなってきた。


2024/10/03（木）
　銭湯に行ったら墨入ってるひとばっかだった。半グレがどうとか喋ってたからたぶん堅気ではない。湯船に浸かりながら、銭湯が舞台の小説を考えていた。文校に提出する用の作品。


2024/10/04（金）
　美容師のお兄さんに靖子ちゃん（赤髪）の写真を見せて、ワインレッドに染めてもらった。もうちょいピンクめでも良かったなと思わないでもなかったけど、まあ良い色だからいっか。二回目のブリーチでピンクにするし。
　髪を染めると鏡みたときアガる。あと、お風呂入ると血が滴るみたいに水が滴って、リスカしたときみたいで気分がよかった。


2024/10/05（土）
　「生まれ変わらないあなたをわたしが見てる」と題されたゆっきゅんのライブ、ゆっきゅんが登場して一曲目は「ログアウト・ボーナス」。僕もちょうど無職だしログアウト・ボーナス（ってほど根詰めて働いてなかったけど）って感じで、歌詞が沁みる。はじめて生のゆっきゅん見たけど、やっぱめっちゃかわいい。友達相手に話してるみたいなＭＣも好き。退場時、ゆっきゅんが君島大空さんの手を引いて歩いてくの、ちょっと感動的ですらあった。今度も必ず行こ！
　時間的に間に合いそうだったから、そのままの足で靖子ちゃんの対バンライブにも向かうことに。ライブハウスに向かう途中に見かけた二人組。装いを見るに靖子ちゃんヲタクだろうなと踏んでいたら、やっぱり目的地は同じだった。エスカレーターに乗りながら、後ろ姿がれいひとあいちゃおに雰囲気似てるなー、と思っていたら、ホントにれいひとあいちゃおだった。二人が見に来てたのもそうだけど、奇跡的なタイミングでびっくり。
　クマリデパートとの対バンで、客層はやや男性が多い印象。靖子ちゃんは弾き語りでのライブ。対バンということでなのか、いつもよりトリッキーなセトリに感じた。アウェー（ってほどじゃないかもけど）な環境でも観客を巻き込んで取り込んでしまう表現力も、超歌手の真骨頂って感じだ。
　「moreきゅん奴隷」が聴けたのがすごく嬉しくて、そのあとに「family name」もやってくれた。このタイミングってのも愛情と思った。一旦はボロボロになって切れてしまった関係性を、それでも繋ぎ直せるのって簡単じゃない。もちろんファンは部外者でしかないから見守るほかないけど、こういうのは素直に嬉しい。


2024/10/06（日）
　なぜかすっきり起きられたので、早めに出て美術館へ。Ｋ先生に勧められた梅津庸一の「クリスタルパレス」って展示をみた。点描で描かれたヌードの自画像や、ドローイングや信楽焼など多岐にわたる作品群。点描ってなんとなく好き。強迫的にすら思える絵画技法。単線によって内と外に断絶されないがゆえに、つね輪郭の定まらない性質。無理に言語化してみるならば、そういったところに惹かれるのかもしれない。
　で、そのまま大阪文学学校の入学開講式に出席した。ながーい入学式の後に交流会があって、酒と寿司を食べながらクラスメイトになる人たちと話した。同年代のひとも何人かいたけど、ほとんどが四十代や五十代、上は七十代くらいのひともいた。新聞の取材が入っていて、記者の方が若いひとに話を聞きたいってことで、インタビューを受けた。インタビューって新鮮でなんか変な感じ。いい気になって話しすぎたかも！
　同じクラスの女の人が話しかけてくれて、ずいぶん話し込んだ。作品の嗜好やなんかにも共通点を感じたし、うまく会話のラリーを続けてくれて話しやすかった。同年代で話せるひとがいて嬉しい。授業たのしみだなあ。