PBP(Paris Brest Paris) 2023 ⑧ 走行ペース振り返り
走行ペース振り返り
トラッカー
公式から提供されるトラッキングツール。
https://track.rtrt.me/e/CC-2023#/tracker
… 名前、ゼッケン番号、所属チーム名などから検索
走行中は どの PCゲートまで通過しているか Map で確認できた(リアルタイムでの位置特定まではできない)
PC (Point de Contrôle) のゲート通過時間が記録されているが、違和感があったのは 2行目の MORTAGNE-AU-PERCH。ここは WP (Welcome Point) 。
後の WP 通過時にタイムが記録されないのでゲートをくぐり直したり、係の人に尋ねたら WP は計測されないので問題ないとのこと(WPは通過しても問題ない、ただし「No control」、シークレットコントロールでなければ)。
2行目に記録されている時刻をよくよく見ると WP到着時刻ではなく WP出発時刻。MORTAGNE-AU-PERSCHE は行きが WP、帰りが PC となっていて、帰りに使われる センサーゲートの時刻が行きも記録されて表示されていたということのようだ。
PBP結果集計サイト(非公式)
Paris–Brest–Paris (PBP) Results
国単位での完走率とか、平均フィニッシュタイムとか、、
まずは制限時間内を目標に走れればよいと思いつつ、みなさん速い。
走行中の意識として、制限時間内に走る > 疲れないように走る > 睡眠時間を確保する、しっかり補給する > お祭りの雰囲気を楽しむ(私設エイド、ブーランジェリー、レストランに立ち寄る、写真を撮影する)> … といった優先順位が深層心理的に働いていて「完走タイムを縮めよう」というモチベーションが低かったのはある。
計画シート
PBP初参加ながら、時間内完走を支えてくれたのは ばるさんが公開してくれた 計画シート のおかげ、大感謝である。
細かなパラメータはいじってもどうせズレると思い初期値のまま。
次のPC/WPまでの距離や目標時間、クローズ時間、基準時間から遅れてないか、は最低限抑えておく必要があって、その上で自身の疲労具合と相談しながらおよそ休憩仮眠時間を決めていった。
夜でも読みやすそうな色調にしてラミネート加工してハンドルにタイラップ留め。 PC/WP にて自転車をどこに停めたか見失った時も目印になって発見しやすく時短にも貢献。
スマホデータでも確認できるが、横スクロールが長いので 紙のほうが見やすい。
ブレスト折り返し後の600kmは疲労蓄積もあって想像以上に時間かかったが、この 計画表(=基準) があったことで、初参加でも迷いなく走り切ることができた。ホントにこれには感謝である。
結果と考察
各PCの到着時間は制限時間をクリアしつつ、睡眠時間の確保は大事と思っていたので、折り返しブレスト以降は PCを出発する頃にはクローズ時間を過ぎてることもあった。
PC/WP以外に道路脇で横たわることもあったので、その場合は区間時速が落ちている。睡眠時間は全部合わせて 10時間 あったかどうか。
たまたま猛暑ウィークだったこともあり、状況に応じて14〜19時頃までの暑さピークを木陰でやり過ごし、涼しくなってから距離を稼ぐといった休みの取り方も有効だったと思う。
はじめはオーバーペースを恐れて抑え目に走ってたが、次第に周囲は後発スタート組のゼッケンが目立つようになる。なるべく体に負担をかけずに走るという点において、適度にトレインに乗って効率よく走ることも重要と途中から気付く。
計画ペース配分としては 行きのブレストまで40時間、帰り50時間 、行きが間に合えさえすれば 帰りは余裕なのでは?と思ったが、帰りのほうが眠気は増していて、思ったほど余裕ではなかった。
これまでのブルべ最長距離が国内 1000km。PBPは初参加でもありペース配分については計画時に想像つかず。当日の気象条件や体調に左右されることもあるので、走ってみないとわからないことも。
実際は、15分から 1時間程度の短い仮眠をこまめにとりつつ前進、PC6 ブレスト(604km) と PC11 ヴィレンヌ=ラ=ジュエル (1017km) で 2時間ほどの仮眠をとれたのが長いほうだった。
とにかく時間内に完走することが目標だったので、以下の3点を胆に銘じながら走行していた。
チェックポイント通過に遅れないこと
落車しないこと(落車する前に仮眠をとる)
仮眠で寝過ごしてしまわないこと
反省点はあれど目標を完遂できたので結果は 100点 💯 ◎ である。
参考:走行時間の内訳
完走タイム 87:18 … ①
Strava 移動時間 55:45 … ②
PC/WP 滞在時間 23:29 … ③
残りその他 ※ 08:04 … ④ = ① - ② - ③
※ 私設エイド、PC/WP以外での食事滞在時間や仮眠、シークレットx2、写真撮影など
→ もしタイムトライアル的な走行計画を立てるとすれば、② 走行時間の短縮改善(集団走行活用、DHバー採用など)もあるが、 ③+④ = 31:33 つまり 全体の約 1/3ほど 30時間以上は停止しており、PC滞在時間などの停止時間を突き詰めたほうが時短効果は高そうである。
ブルベを始めて間もない頃は、とかく走行中のスピードに目を奪われがちであったが、距離が長くなればなるほど、停止時間を減らすために何をすべきか、走行速度とのトレードについて俯瞰して工夫すべし(無理に走行スピードを上げて休憩時間が増えてしまっては元も子もなし、また無駄な休憩に時間を費やすくらいであれば ゆっくりでも前進したほうがよい)、というのは今回も然り。
御礼
SNSを通じて過去の経験ノウハウを惜しみなく公開いただいた皆さん、
ホテルや飛行機手配、ドロップバッグなど参考情報をいただいた AJたまがわの皆さん、現地でお会いしてご一緒させていただいたり、励ましや
アドバイスをいただいた皆さん、SNSに反応いただいたりコメントいただいた皆さん、ふだん練習ライドにお付き合いいただいている皆さん、
本当にありがとうございました。
たくさんの方々に支えられて自転車を趣味として続けることができてます。
この場をお借りして御礼とさせていただきます。
後記
これまでブログは書いたことがありませんでしたが、先人のSNSを参考にさせていただいたことより 恩返し的な意味合いを込めて、自分の見てきたPBPを書き残すこととしました(記憶の呼び起こし、無意識の意識化、文字化に苦労、、公開後も何度か書き直したりしてます、ごめんなさい)。
他の方の記録や記事に触れると、人それぞれ様々なシチュエーションや考え方があって、なるほどと思うことしばし。それもまたPBPの魅力と言えそうです。「すべての道はPBPに通ず」、これまで国内ブルべで感じることもあった苦行?の数々も、PBPに参加することで昇華された思いです。
完走メダルという勲章を得ただけでなく、自転車を愛する文化に触れ、私にとっては 人生の糧として大きな影響を受けた といっても決して過言ではありません。
PBPは4年に1度きり。参加してよかったと思えるイベントです。
が、スタートラインに立つまでの準備がやはり大変でした。次回 2027年開催を見据えて、次の準備はもう始まっているともいえます。
多勢の参加者がいる中で、このような走行記録もあって、何かしら読者の参考になればと。