「読む笑い」 『見えてない』③
(見えてない②の続き)
B:ちょっと待て、ん?
幽霊みたいなのは、本来は見えないはずのものが見えてるよな?
A:そうだね
B:それなら分かるわ。
そういうこと?
A:全然違うだろ!
B:違うの!?
A:幽霊っていうのは、お前も今言ったけど
例えば俺とお前の間に幽霊がいるとするだろ?
B:うん
A:それで、俺は見えてないけど
お前は見えてる。
本来は見えてないのが普通だけど、
お前が見えてしまっている。
こういうことだろ
B:そうだよな。
じゃあ、お前の場合は?
A:俺はお前にとっては見えてるだろ?
B:そうだな
A:これは皆そうだよな。
そこら辺にいる人たちもみんな俺のことが見えてるってことだよな?
B:そうだよ
A:それが間違いなの。
B:いやいやいや、見えてるんだろ?
A:だから!何度も言わせんな!!
それが間違いなんだよ!
B:それが間違いってどういうことだよ!
だって見えてるんだよ!
(見えてない④に続く)