「読む笑い」 『双子』④
(双子③の続き)
A:それで育てられたのが俺なのよ。
B:誘拐犯に育てられたの、お前の方だったんだ。
A:俺の母親を犯人呼ばわりするな!
B:いや、どう聞いても誘拐犯だよ!
お母さん目の前に子どもを隠してるんだから
A:それで連れて帰られたおれは
家族に相当けむたがれたらしいよ。
B:え!その助産師って家族いたの!
A:うん。
旦那と、高校生の息子と中学生の娘がいたよ。
B:おいおいおいおい。
煙たがれるどころの騒ぎじゃないぞ!
A:なんで?
B:なんでって、考えてみろよ。
ある日突然、母親が赤ちゃん持って帰って来るんだぞ?
「どうしたの!その赤ちゃん!?」ってなるだろ!
A:まぁそうか〜
B:そうか〜って、
A:まぁ、だからね、
もう、家族は猛反対だったらしいのよ。
B:そりゃそうよ!
「どうすんの!」ってなるでしょ。
A:「私が育てるの!」
って押し切ったらしいよ(笑)
B:狂ってるよ!お前の育ての親は。
返してこいよ。
A:ほんと。
たぶん家族も「返して来い!」って言ったと思う
B:うん、そう言うよ!
経緯聞いたらなおさら「返して来い!」って言うって
A:まぁ、そんなだからさ、
おれも相当、兄弟からの当たりきつかったよ。
B:そうかもね。
(双子⑤に続く)