｢読む笑い｣ 『100m走』⑤

(100m走④の続き)


A:位置について、
よーい、、、ドン！

(9秒経過)
A:ほら！！見た？
見たか？
相当速いだろ！


B:分かるか！
見た見た？じゃねえよ！
誰も見えねえよ！
9つ数かぞえて、誰も走ってない100mの距離を俺はぼーっと眺めててなにが分かるんだよ！


A:なんでだよ！！
この俺たちが今体感したこの9秒って短さに、
あの距離を普通は走れないって感じれるだろ！！

B:感じれないよ！！
誰も走ってないんだから！


A:はぁ…なんで分からないんだ、
あ、じゃあ、お前で考えたら分かるか？

B:は？


A:お前がどれくらいで100m走るかと比べたら分かるだろ？


B:ん？


A:お前、どれ位で走れる？


B:んー、今は全然だろうけど、
高校生のときで12秒とかじゃない？
え？
おれ今から走るの？


A:いや？
12秒数える


B:それじゃ一緒だろ！


A:待て待て！
お前本人なら少しは分かるだろ？

B:本人ならって、
また俺はお前が12秒数かぞえてるの聞いてるだけなんだぞ？


A:いや、高校生のときのお前がどれくらいの速さで走ったか12秒を体感したら分かるって


B:違う違う、もう俺は分かってるのよ！
12秒だから、それでいいの

A:それだとただの記録だろ？
でも、12秒数えたら
高校生のときのお前をここに召喚できるんだよ

B:出来ねえよ！
ただ数を数えてるだけ！

A:まあ試しにやってみよう

(100m走⑥に続く)