「読む笑い」 『巨人』④
(巨人③の続き)
A:分かった!
お前妬んでるんだな
B:妬むか!
なんでなにも変わってないやつを妬むんだよ
A:分かるぞ?巨人になれたらいいもんな
B:なってないから!
なってないし、
別にお前がなってても羨ましいとは思わないし
A:そっか〜、まぁ、たしかに妬むわな。
B:妬んでないって言ってるんだけどな
A:俺も成長期が終わって、
こんなに身長が伸びることがあるって
思わなかったしね。
B:おい、身長伸びてないだろ!
A:伸びてるだろ!
身長が今まで173cmから3mになる訳なんだぞ?
127cmも伸びてるんだぞ!
これで伸びてないって
なにを持ってそう言ってんだよ!
B:紙面上はな!
でも見た目で伸びてないだろって言ってるの!
A:はぁ…お前なぁ、
3mの巨人の資格を持ってるって人がな
相手が資格を持ってるって分かってて
目の前に現れたら、
その人のことを3mの巨人って認めるだろ
B:高度すぎんだろ!身長の認識が!
普通、パッと見て大きいか大きくないか判断するんだよ身長ってのは!
A:でもお前、
「身長いくつある?」って聞いて
「180cmです」、「え、意外と大きいんだね」
こういうこともあるだろ?
B:あるけど
A:おれの場合も身長聞かれて、
「3mです」って答えたら、確かに
「え!そんなにあるんですか!」とはなるかもしれないけど
B:ならねぇよ!嘘だよ嘘!
どう見ても3m無いんだよ!
A:お前なぁ、それが意外とあるんだよ。
B:無いよ!意外もクソもあるか!
A:だから、それを証明するのが、
「3mの巨人の資格」なんだよ
B:あー、はいはい、わかった。
もう疲れてきたわ
(巨人⑤に続く)