農業は勿体無いの積み重ねでできている。
勿体無い。
最近流行りのSDGsという言葉もありよく耳にする。
農業界にもSDGsの浸透は必須だろう。
改善の余地なんて山のようにあると思う。
ただ、そうとは言っても農業界には色んな勿体無いがあるなと思う。
最近は柑橘類で言うと摘果の時期である。
木になっている実を一つ一つ手で落としていくのだ。
実に勿体無い!
落とすミカンが全部大きくなったらと想像すると悲しくなる。
が、全てのみかんが大きくなるわけではない。
適正量なるものがあるから、木の状態と照らし合わせ落とす木は実を結構多く落とす。
心の奥にもったいないなと言う気持ちがあるから、
落とす量は意識しないと結構少ない。
控えめになってしまう。
実の数を適正量にすることで今年のみかんの生育を良くし、
さらに数の負荷を減らしてあげることで、
来年に実をつける力が残り、来年やそれ以降の栽培に繋げる。
勿体無いの先にある未来である。
思えば農業では摘果以外も勿体無いことは多い。
・種が勿体無いからといっぱい植えて間引きが大変になる。
・土地を余すのが勿体無いと考え土地いっぱいに作付けし、作業が不効率になる。
・蕾を落とすのが勿体無いと考えると良くない実がいっぱいなる。
・枝を切るのが勿体無いと思い切らずにいると、枝が生い茂り管理が大変になる。
・薬をケチってかけないと虫にやられてしまう。
・せっかく実がなっても勿体ぶって収穫しないと鳥や獣にやられてしまう。
・人件費を節約しようとして人手が足りず、収穫が追いつかない。
・せっかく収穫しても市場の値段を気にして勿体ぶって売っているうちに作物が腐ってしまう。
考えただけでも色んな勿体無いがありますね!
農業経営とは色んな勿体無いを乗り越えていくことなんでしょう。
ただ私はケチである。なので勿体無いことが無性に気になってしまう。
消費者には目の前の商品の裏に多くの勿体無い何かがあった事を知ってもらい、
腐らせる前に美味しく全て食べてもらいですね。
せっかく世に出た食べ物を大切にしてもらいたい。
それが勿体無いなという気持ちをグッと乗り越えた生産者の気持ちです。
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