『15のコント達#15 GONGON儒艮のジュウゴの呪禁』コント⑮「てー。」

藍茶:お笑いコンビのネタを書いていない方。
桃寧:お笑いコンビのネタを書いている方。

舞台上椅子2脚。2人板付き。(上手の椅子に桃寧、下手の椅子に藍茶、着席)

■明転

アチャ「…お前それ本気で言うてんの?」

モネ「ああ。本気だ。頼む、解散させてくれ!!!」

アチャ「なんでやねん?理由を教えてくれよ。」

モネ「俺には…才能が無いんだよ。」

アチャ「そんなことないって。」

モネ「そんなことあるんだよ!!!」

アチャ「…。」

モネ「書けないんだ、もう。新ネタが。なんのアイディアも浮かばないんだよ。」

アチャ「いやでも、」

モネ「俺の才能はもう枯れ果ててしまったんだよ!!!」

アチャ「…で、今月何本新ネタ書いたん?」

モネ「14本。」

アチャ「書き過ぎやてー!月に14本も書いてたら、そらアイディアも出てこんくなるてー!」

モネ「でも先月まではきちんと15本書けていたんだ!!!」

アチャ「それ何ヶ月続けてんの?」

モネ「15ヶ月。」

アチャ「書き過ぎやてー!2日に1本のペースを15ヶ月も続けてたら、そらアイディアも出てこんくなるてー!え?書いてる時間以外は何してんの?」

モネ「ライブ、バイト、睡眠。」

アチャ「書けへんくなるてー!そんなほぼインプットゼロ生活で2日に1本のペースで書き続けてたら、そら出てこんくなるてー!」

モネ「そう...なのか?」

アチャ「そうやって!とりあえず書く数減らしぃや。」

モネ「...減らしてもいいのか?!」

アチャ「えぇて。減らしても誰も文句言わへんて。」

モネ「そっか、じゃあ減らすわ。月12本に。」

アチャ「まだ多いてー!!!15も12もしんどさ変わらんてー!!!」

モネ「そんなことない!!!だって月12本だったら5日前には書き揃えられてたもん!!!」

アチャ「才能あるてー!!!15ヶ月も連続でそんな量産出来るんやったら何かしらの才能はあるてー!!!」

モネ「才能があるんだったらもうそろそろ売れてもいいだろ!!!」

アチャ「もうそろそろかも知れんてー!なんかSNSでたまに見る、地下で宝石目指して掘り進めてるけど、あとちょっとの所で諦めて帰るおっさんと、掘り続けて宝石に辿り着きそうなおっさんの絵のやつみたいな状況かも知れんてー!!!」

モネ「…ゴメン、途中から耳がまったく聞こえない時間があった。」

アチャ「もう寝ろてー!!!しっかり食べてしっかり寝て心と身体と脳を休ませてあげろてー!!!」

モネ「でも!!!俺が寝ている間に他の奴らが努力をして追い抜かれてしまうかも知れないじゃないか!!!」

アチャ「大丈夫やてー!きっとお前もみんなが寝てる間に努力してたてー!!!少なくとも俺が寝ている間は努力してたてー!!!」

モネ「じゃあ、俺が寝ている間、お前が代わりに努力してくれるか?」

アチャ「ほな頑張るてー!!!お前が安心して眠れるよう、俺も頑張るてー!!!」

モネ「じゃあお前が代わりに15本ネタを、」

アチャ「書けへんてー!!!その『15の呪い』何とかしろてー!!!お祓いでも行けってー!!!」

モネ「呪い!?これは呪いなのか!?」

アチャ「もうほぼほぼ呪いやてー!」

モネ、無言で意識を失い寝息を立て始める。

アチャ「心配なるてー!!!もはやただただ心配なるてー!!!なるてー亭てーててー師匠やてー!!!」

モネ「(顔を上げて)はいどうも、なるてー亭てーててーで御座います。」

アチャ「そんな師匠おらんてー!!!」

モネ「ジュテームジュテーム5秒でブチギレ。」

アチャ「そんなボキャブラ寿限無やったらあかんてー!!!」

モネ「Master, what time is it now? It’s 9 o’clock!!!」

アチャ「イングリッシュ時蕎麦もやったらあかんてー!!!」

モネ「おいらはマンゴーフラペチーノが怖い。」

アチャ「令和版饅頭こわいスターバックス編もやったらあかんてー!!!」

モネ「っていう新ネタ書いたんだけど、どう?」

アチャ「もうゆっくり休めてー。」

■暗転