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進撃の巨人 最終巻(最終話)感想

ネタバレあり。こんな辺鄙なところまで来る人はいないだろうけど、読みたくない人がいたら閉じて。










といっても考察とかそういう詳しいことはわかんねえ。

ただ、「エレンが過去干渉できること」

「それをあるポイントでしていたこと」

この一点が衝撃的だった。それは、

将来、超大型巨人となり、自分を止めるはずのアルミンにベルトルトを適切なタイミングで食べてもらうために、自分の母親を生贄にしてたこと。過去時点のエレンは「お母さんが食べられちゃったよぉ(涙)」だったけど、最終話時点からずっと干渉していて苦渋の決断だったんだよね。 
これはもう、、、戴冠式でヒストリアに触れて自分の未来を見た後、虚無顔になるわな。

その他は大方の予想通りというか、あるべきプロセスに則って、色々なところを丁寧に折りたたみつつ、風呂敷を綺麗に畳んだよねって感じ。意外性を可能な限り排除しているような印象。諫山先生は自分が生み出した物語に対して、何も後ろめたいことがなく、自信を持ってる。素敵です。

マーレとエルディアはそれぞれ再び軍拡したり、ものすごく現実的で等身大。でも和平交渉に向かう一堂の晴れやかな顔は良い意味で王道漫画の匂いがしてとても素晴らしい。


そして単行本のみ加筆された約4ページの巨大樹のシーン。これは丘の木、エレンのお墓の近くの木が大きく成長した姿だ……何年後だろう。相変わらず戦争は続いている。

巨大樹には誰かを待っているような大きな穴が空いている。建物が激しく崩壊しているような、少なくとも平和ではない世界で少年が犬とそれを見つける……という終わり方。

巨人の力は消えたけどそれは一時的なもので、再びそれは生まれ、また同じことの繰り返しになるんだろう。人間は愚かだから。

ここから何を読み解けばいいのか。

エレンがミカサが世界の人があんなに地獄みたいな目にあって、救ったはずの世界が結局のところ何も救われていないじゃないか、蛇足にもほどがある!という見方もできるだろうけど、自分は少し違っていて。

「自分が干渉できる世界・時間軸だけでも変えられるなら、そこは足掻いてみよう。全ては主観なのだから」というような諫山先生からの激励のように感じ取れたのだ。

僕たちはエレンみたいに、始祖の巨人みたいに、未来を見て過去に干渉することはできないけど、今を懸命に生きることはできるんじゃね?いや、むしろそれしかできなくない?と言われている気がした。

「自分が触れられる範囲で今起きていること、それをよく観察することしか僕たちには取る行動がない。でも、そうすることで少なくとも自分の物語は幸せにできる。大丈夫。」

そんな温かい気持ちになれた。

幸せは主観でしか測られないよな。

誰かと、ましてや世界と比べるもんじゃないよな。


なんか適当だけど、そんなことを感じ取った。

諫山先生、約11年半お疲れ様でした!!最高の最終回でした!!

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