見出し画像

『和の時パル』川の流れのように43年間の時流に身を委ね、磨き続けたハンドメイドの技術

ほくさつマグマです🙂
北薩のイチ推し店情報を全国に発信するイチ推しマグマ企画。今回のイチ推し店は『和の時パル』さんです😊

🔥ほくさつマグマのイチ推し店舗🔥
『和の時パル (なごみのひとときぱる)』
ハンドメイドによる衣類やアクセサリーを手に取って楽しむことに加えて、1点物の洋服づくりに挑戦できる洋裁教室の運営も行う薩摩川内市田崎町の店舗です(*^^*)
● 創業     1981年
● 所在地  薩摩川内市田崎町51-4

イチ推しNo.002

『和の時パル』さんの創業は1981年。姉妹であるお二人は、その年に薩摩川内市向田町でハンドメイドアイテムの店舗を初めて開店します。
現在は、2003年に店舗を移した田崎町で店舗を営む姉の上別府 由美子さんと妹の吉満 真利子さん。43年の長きにわたりハンドメイドアイテムの製作事業に深く携わってきたお二人にお話を伺ってきました。



取材後に店内をくまなくまわった私のお気に入りです😊



多忙だった過去に感じるのは確かな充実感


「多くの仕事に追われてばかりの毎日で、自分たちがいま何をしているのかさえも見失う程の時期もありました。今では肩の力を抜いて気軽に取り組むことができています」と過去の苦労も笑顔でお話しくださるお二人です。

43年にわたるハンドメイド製作の足跡さえも聞こえてきそうな店内で、まずは創業時のエピソードをお伺いしました。


1981年に向田町のアーケード街で洋裁店をオープンしたとのことですが、そこにはどのようなきっかけがあったんですか?

創業する前の3年間、今から46年ほど前のことですね。薩摩川内市にあった文化服装学院で私たち姉妹は洋裁を学びました。姉は昼間に、私は夜間の部でした。その中で姉が洋裁の免許を取得したのもあって、自分たちの店舗を構えることを当時の校長先生が薦めて下さったんです。それにも背中を押されて向田町に店舗を開いたのがパルの始まりですね。


開店当初の商品を思い出す時、特に印象に残っているものは何ですか?

当時はアートフラワーも製作していたのですが、まず思い出すのはソープフラワーですね。流行していたのもあってお買い求めになる方がとても多くいらっしゃいました。売れ行きの良さから材料が不足して、明けても暮れてもソープフラワーの素材を探し求めていたという印象が残っている程の盛況ぶりでした。
それに加えてブーケもでしたね。姉妹であっても姉と私では製作するブーケのデザインが異なります。それが多様なものを提供できる結果となって、こちらも当初から多くのご注文を頂きました。

その彩りに思わず目を奪われます


店舗販売だけではなかったとお聞きしていますが、他にはどのような事業を展開なさっていたんですか?

鹿児島市の山形屋や三越などのデパートでの出店や北九州・福岡での展示会。「1度は出てみたい!」という気持ちもあって東京ビッグサイトの展示会にも参加しました。現在も取り組んでいる手づくり洋裁教室も当初からの取り組みですね。送料の高さと価格交渉にずいぶんと悩まされたフランスへの商品販売にもご縁があって挑戦したりしました。


それを聞くだけで当時の盛況ぶりが伝わります。

創業した1981年に長男が、翌年には次男が生まれて育児もある中、午前中は阿久根で手作り洋裁教室を開き、そこが終わったらおにぎり片手に車を運転して宮之城に向かって午後の教室。さらには夜間教室もありました。姉は姉で、納期に猶予を頂きながらひたすらブーケ製作を行っていました。やることの多さに自分たちが何をしているのかさえも見失う程の感覚でしたが、いま振り返ればそれはとても充実した日々だったというのが私たちの共通認識ですね。



要望 ⇒ アイデア ⇒ 提案のサイクルがパルのスタイル


専門的な知識や技術を深めたい場合、例えばYouTubeなどのデジタルコンテンツを活用できる時代になりました。それがなかった当時というのは、専門家からの学びや専門書を読むこと以外にどのような手段がありましたか?

お客様の要望に耳を傾けることが一番のものでした。例えば、韓国の飾りつけをたくさんお持ちになって「これでなにかつくれない?」というご要望もあったりしましたね。それらのことが、新しい知識や技術を磨くための機会となりました。日常においても、歌番組をみれば自然と歌手の後ろに映る飾りつけやその色使いに目がいきます。
視点を大きくすれば、日常の中にも多くのヒントがあってそこからアイデアが生まれます。そのアイデアを活かしてお客様の提案することで喜んでいただいた。「こういうものをつくって欲しい」というお客様の声が、私たちの知識や技能を深めてくれましたね。


目で見て耳にしてきたことの価値が大きかったわけですね。

もうひとつ加えれば、直に触れることもでしょうか。新たに生地の仕入れる場合、写真でそれを確認したり見本を送って頂いて生地感を確かめることもできます。それでどれたけ慎重に選んでも「失敗したなぁ」と思うことがあるんです。なので、東京まで足を運んで実際の生地を「見て触れて」仕入れを行っています。直に見て触れることで製作のイメージをより抱くことができますから。

厳選された生地を見比べる楽しみがあります


手づくり洋裁教室の運営にもそのスタイルの影響はありますか?

そうですね。例えば、サイズが変わる度に洋服の直しをご希望になる生徒さんがいらっしゃるとします。「スタイルを良く見せたい」「サイズに合った服を身に付けたい」という声がある場合に、その都度手直しすることだけがそれに応えることではないと思うんです。
「ちりめん」という生地がありますが、それを使えば生地の自重によって上から下に向けて「ストンッ」と落ちるような着こなしになるんですね。生地によってもスタイルを見せることができるんです。また、ゆったり目のサイズを愛用する方も増えてきていることもありますので、そのようなトレンドもお伝えした上で洋裁のアドバイスをしています。

店舗に並ぶちりめん素材の一品



予約不要で参加OK 退会済みという考え方をしない気軽な洋裁教室


43年前から運営されている手づくり洋裁教室についてですが、いまの生徒さんは週に何回ほど通われているんですか?

通った回数分だけの教室代をお支払い頂くという料金体系もあり、生徒さんによって回数は異なります。根を詰めて製作したい方が高い頻度で集中して通うこともありますし、長くお見えになっていなかった方が突然いらっしゃることもありますね。


突然いらっしゃるケースもあるということは、予約制ではないんですか?

はい。教室を開く曜日と時間帯は決まっていますが、事前の予約なしでも作りたくなった時に参加できる運営を行っています。毎月の決まった会費もありませんので「通わないといけない」というようなプレッシャーを抱くことなく気軽に製作活動を続けて欲しいですね。

くつろぎの間とミシン部屋
くつろぎの間ではお茶とお菓子を手にしながら自然と話がはずみます


生徒さんの製作意欲を最優先されているんですね。

「製作意欲が高まっている時には集中して通って一気に仕上げたい」「たまにふと製作をしたくなる」など生徒さんにも色んな製作シーンがあります。それにお応えできるのが気軽さだと考えているんです。なので、退会制度もありません。間が空いたとしても、再度お見えになればいつも通りのパルの生徒さんですね。

生徒さん製作中の作品



これまでも今からもお客様と同じ歩調で進める店舗運営


今でも多い時で8名ほどの生徒さんが集まる和の時パルさんの洋裁教室。現地仕入れや販売などでもまだまだお忙しそうなお二人です。今後の店舗運営についてもお聞きしました。


多忙な時期を力を合わせて乗り越えてきたお二人ですが、今後はどのような店舗運営をお考えですか?

1981年の創業ですから、当時からのお客様も私たちも年齢を重ねました。
その時はファッションにとても熱心だったお客様でも、服の新調や直しの頻度が減ることが少なくありませんし、そこには健康上の理由も含まれていたりします。お客様のご要望やご期待に応えたくて姉妹して夢中になって駆け抜けてきたわけですが、昔からのお客様のペースに合わせて店舗運営をしていきたいと思っています。私たちにとっても無理なく気軽さを持って続けられることになりますから。

そのような考えには、大きな時流に無理に抗うことをせずそこに身を委ねてきた43年間の歳月があります。私たちを近くで支えて下さった方の存在のおかげもあって、その流れの中で私たち姉妹は多くのハンドメイドアイテムをお客様にお届けすることができました。要望から得たアイデアをもとに提案するという昔からのスタイルに今も変わりはありませんが、今後も大きな流れに身を委ねていきたいと思っています。



これからも引き継いでいきたい想い


最近では、デジタルで作成したコンテンツを気軽にデジタル上で販売できるようになった背景もあって、製作意欲を持つ方が増えていることを感じています。リアル・バーチャルのいずれであれ、製作に関して引き継いでいきたいものはありますか?

ひとつの枠組みに囚われずにその瞬間を楽しんで欲しいという想いがあります。今と比べれば、昔は物や情報に不足を感じることが当たり前だったように思います。その不足感があったからこそ、ひとつの枠組みを超えて新しいことに挑戦したり、その時その時の瞬間を新鮮な思いで楽しむことができた時代だったように感じます。それらは、製作の視点と可能性を大きく広げることに繋がると思っています。もっともっと外の世界を見て欲しい。
技術やノウハウだけではなく、このような想いもハンドメイドを通じて伝えることができればと思っています。



大変な時期を必死になって乗り超えたからこそ生まれる今の心の余裕。お二人への取材を終えて一番に抱いた印象はそのようなものでした。

店舗の商品を眺めていると、偶然にもこのような商品がありました。枠組みに囚われないで欲しいというメッセージを端的に表しているように感じますね。

DON'T OVER THINK IT!


世界でひとつだけのオリジナルアイテムの製作にご興味をお持ちになったら、まずは和の時パルさんでご体験を。お気軽に足をお運びください😊

手づくり洋裁教室の体験に関する詳しい情報はこちらです👀


[開催時間]
毎週「月曜」「木曜」「土曜」に以下の時間帯で開催しています
▷ 月曜日・木曜日 10:00~12:00
▷ 土曜日     14:00~16:00
祝日の場合も通常通りの開催しています

[1レッスンあたりの時間と教室代]
▷ 1レッスン2時間
▷ 教室代1,000円(税込)
▷ 都度のお支払い(所定の月謝なし)

[参加方法]
事前のご予約は不要です。開催時間内に教室まで直接お越しください。
住所:薩摩川内市田崎町51-4

画像タップ or クリックでGoogleマップが開きます

取材記事の作成に関するお問い合わせ先です(*^^*)
ほくさつマグマ事務局
hokusatsu00maguma@gmail.com


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?